2001 Fiscal Year Annual Research Report
負の電子親和力を有効に利用した電池駆動可能なダイヤモンド冷陰極の作製とそのデバイス応用
Project/Area Number |
10555011
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
岡野 健 国際基督教大学, 教養学部, 準教授 (20233356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 順司 産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 部門長
澤邊 厚仁 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70187300)
小泉 聡 物質・材料研究機構, 物質研究所・スーパーダイヤグループ, 主任研究員 (90215153)
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Keywords | ダイヤモンド / 窒素添加 / 電子放出 / 冷陰極 / 負性電子親和力 |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、尿素を不純物源として成長した窒素添加多結晶ダイヤモンド薄膜から非常に低い電圧/電界で電子が放出されることを確認し、またこれまで難しいとされてきた電子放出位置の制御をモールド法を用いピラミッド状ダイヤモンドを形成することにより可能とした. 本年度はこれまでに得られた多くの実験結果を基盤にし、電池駆動可能なダイヤモンド冷陰極としてピラミッド状に鋳型成長させた高濃度窒素添加ダイヤモンドのデバイスへの応用へ向け、そのダイヤモンドの電子放出機構の解明を目指した. 高濃度窒素添加ダイヤモンドは100GΩcm以上の抵抗率を有し、冷陰極として用いられた際、低い印加電圧で電子放出をする.また放出電流-アノード電圧特性は陽極-陰極間の距離によらず一定であることにより、電圧降下はダイヤモンドバルク中で起こり、バルク中の電界は真空中の電界に比べ著しく大きいと見積もられる.一方100Ωcm程度の低抵抗の窒素添加ダイヤモンドでは高抵抗のものに比べ閾値は低く、真空中での電圧降下は高抵抗のものより大きいと推測できる.この結果より以下のような電子放出を説明するモデルを構築した. (1)高濃度窒素添加ダイヤモンドは高抵抗であるためダイヤモンドバルクでの電界は非常に大きく、低い印加電圧においても金属からダイヤモンドの伝導帯へ電子はトンネリングする. (2)ダイヤモンドの伝導帯へトンネリングした電子はダイヤモンド-真空界面まで伝導帯に沿い移動する. (3)ダイヤモンド-真空界面まで移動してきた電子は負または非常に小さい電子親和力により真空中へ放出される. 以上のような高濃度窒素添加ダイヤモンドからの非常に低い電圧/電界での電子放出モデルを構築したことにより、今後ダイヤモンドを冷陰極としたデバイスの開発の更なる進展が見込まれる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K. Okano, T. Yamada, A. Sawabe, J. Itoh, G. A. J. Amaratunga: "Metal-insulator-vacuum type electron emission from N-countaining chemical vapor deposited diamond"Applied Physics Letters. 79. 275-277 (2001)
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[Publications] T. Yamada, A. Sawabe, S. Koizumi, J. Itoh, K. Okano: "Effect of sp^2/sp^3 Ratio on Electron Emission Properties of Nitrogen-Doped Diamond Electron Emitter"Phisica Status Solidi. 186. 257-262 (2001)
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[Publications] T. Yamada, K. Kanda, K. Okano, A. Sawabe: "Effect of Oxygen Coverage on Electron Emission from Boron-Doped Polycrystalline Diamond"Japanese Journal of Applied Physics. 40. 829-831 (2001)
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[Publications] T. Yamada, A. Sawabe, S. Koizumi, T. Kamio, K. Okano: "Growth of homoepitaxial diamond doped with nitrogen for electron emitter"Diamond and Related Materials. 11. 257-261 (2002)