2000 Fiscal Year Annual Research Report
非均質・非等方材料中の欠陥同定のための受動型および能動型電気ポテンシャルCT法
Project/Area Number |
10555030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井岡 誠司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50283726)
阪上 隆英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50192589)
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Keywords | 逆問題 / 電気ポテンシャルCT法 / 非破壊検査 / 異種接合材料 / 界面剥離 / スマートマテリアル / き裂同定 / 破壊力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,研究代表者らが開発した均質・等方材料に対する直流電気ポテンシャルCT法を拡張して,材料の非均質性あるいは非等方性を考慮した,非均質・非等方電気ポテンシャルCT欠陥同定法を構築することにある.すなわち,まず非均質材料として異種接合材における界面あるいはその近傍の欠陥を同定する手法を構築する.次に非等方材料として直交異方性材料に対する電気ポテンシャルCT法を提案する.さらに,ピエゾ材料を組み込んだ非均質材料を作成し,外部電流を加えることなくいわば能動的な電気ポテンシャル応答を積極的に取り出す,新しい欠陥モニタ法の開発を行った. 平成12年度に得られた主な研究成果は,以下の通りである. 1.ピエゾ材料を貼付した試験片に力学的負荷をかけたときにピエゾ材料表面上に現れる電気ポテンシャル分布の応答より,き裂の位置と大きさを推定する数値シミュレーションと実験を行った.二次元き裂および三次元表面き裂のパラメータが表面上の電気ポテンシャル分布に及ぼす影響を,数値シミュレーションにより明らかにした.ピエゾ材料の表面上に現れる電気ポテンシャル分布をナノボルトメータで計測したところ,有限要素解析結果と同様の分布形状が得られたが,その絶対値は解析によるものと大きく異なっていた.表面電位計を適用したところ,解析結果に近い大きさの電気ポテンシャル分布が計測できた.この電気ポテンシャル分布を用いてき裂のパラメータを推定することができた.2.導電率の異方性が大きい炭素繊維積層複合材料について,複合材料の表面上の電気ポテンシャル分布より,積層界面で生じる剥離の検出が可能であることを示した.
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[Publications] Shiro KUBO: "Identification of Delamination in Bonded Dissimilar Materials with Orthotropic Electric Conductivity by the Electric Potential CT Method"Inverse Problems in Engineering Mechanics II. 257-266 (2000)
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[Publications] 塩澤大輝: "ピエゾ材料を用いた受動型電気ポテンシャルCT法」"日本機械学会平成12年度材料力学部門講演会講演論文集. No.00-19. 315-316 (2000)
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[Publications] 口西学: "電気ポテンシャルCT法を用いた異方性積層複合材料の界面はく離の同定"日本機械学会第13回計算力学講演会講演論文集. No.00-17. 407-408 (2000)