1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555031
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
冨田 佳宏 神戸大学, 工学部, 教授 (10031147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 泰治 神戸大学, 工学部, 助教授 (40243323)
中井 善一 神戸大学, 工学部, 教授 (90155656)
渋谷 陽二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70206150)
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Keywords | TRIP鋼 / 構成式 / 階層モデル / マルテンサイト体積分率 / AFM観察 / 微小硬度 / 計算機シュミレーション / せん断帯交差モデル |
Research Abstract |
変形誘起変態現象の代表的なものとしてマルテンサイト変態を伴う塑性現象を利用した鋼(TRIP鋼)をとりあげ,メゾスケールせん断帯の交差を主機構とする,温度,ひずみ速度及び応力に依存した変態現象のメゾメカニカルモデルを構築し,変態量の発展方程式の形式で変態量と温度,ひずみ速度,応力の3軸性との関連を表現するマクロスケールモデルを構築した.つぎに,広範な環境温度下で切り欠き試験片に引張り変形を加えその応答を詳細に検討し,幾つかの変形段階で,試験片の断面の局所的なマルテンサイト相の体積分率を,新しく提案した微小硬度を用いる手法によって評価した. 本研究によって提案した変態モデルを導入した構成式を有限要素法に組み込み任意の変形のシミュレーションを行なうことができるプログラムを開発し,それを用いて不均一変形をうけるTRIP鋼の変形挙動のシミュレーションを行い変態量の分布ならびに強度,延性,靭性等を調べた.実験結果とシミュレーション結果を比較し,マクロなTRIP鋼の変形応答,数百マイクロ平方領域におけるマルテンサイト相の体積分率分布の平均値は極めて良好な一致をすることが確認された.さらに,同構成式を用いて一定ひずみ振幅のもとで繰り返し負荷を受けるTRIP鋼の変形挙動の予知を行い,累積塑性ひずみ,応力振幅の推移,材料の局所的な機械的性質の変化等を明らかにした.今後,更に微小な領域のマルテンサイト変態現象を予知可能なモデルの構築が必要で,そのためにマルテンサイト相の体積分率を用いない,マイクロメカニカルモデルの構築を行っている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takeshi Iwamoto: "Invostigation on Deformation Mode Dependence of Strain-Induccd Martensitie Transformation in TRIP Steels and Modelling of Transformation Kineties" Int.J.Mech.Sci.40・2/3. 173-182 (1998)
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[Publications] 岩本 剛: "TRIP鋼の変形様式依存性を表現した構成式モデルの定式化" 塑性と加工. 39・454. 1144-1149 (1998)
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[Publications] Yoshihiro Tomita: "Constitutive Modeling of TRIP Steels and Its Applications to the Estimation of Deformation Behavior of Ringed Notched Specimen Under Tension" Proc.Plasticity 99. 267-274 (1999)
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[Publications] Yoshihiro Tomita: "Estimation and Prediction of Local Strain-Induced Martensitic Transformation" Arch.Mech. (印刷中). (1999)
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[Publications] Yoshikazu Higa: "Computational Prediction of Mechanical Properties of Nickel-Based Superalloy with Gamma Prime Phase Precipitates" Proc.ICM8. (印刷中). (1999)
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[Publications] 冨田 佳宏: "TRIP鋼の構成式の定式化と環状切欠き棒の変形挙動の評価" 日本機会学会論文集. 65A(印刷中). (1999)