1999 Fiscal Year Annual Research Report
循環型生産を促進するための製品劣化評価および部品再利用性評価に関する研究
Project/Area Number |
10555035
|
Research Institution | The University ofTokyo |
Principal Investigator |
木村 文彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60133104)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上石 幸拓 東京大学, 株式会社リコー・生産技術研究所, 部長研究員
|
Keywords | 循環型生産 / インバース・マニュファクチャリング / 製品劣化 / 部品再利用 / 製品ライフサイクル |
Research Abstract |
本研究の目的は、日常的に用いられる消費財型製品を対象として、循環型生産をめざして、部品再利用・リサイクルを促進する製品の概念とそれを普及させる戦略を提案し、その実現のための基盤技術である再利用に基礎を置く製品ライフサイクル実現の技術課題を追求し、事例研究により実用的有効性を検証することである。 前年度は、製品基本機能のモジュール化、基幹部品の標準化や統合化などにより部品再利用がしやすい形態に製品体系を変換し、多様なライフサイクルが可能となるような設計の基本的手順を整理した。また、ライフサイクル設計において、製品や部品の寿命算定の基礎とするために、計算機シミュレーションによる個別部品の劣化とそれによる製品の機能損傷の予測法を研究した。 上記のような成果を受けて、今年度は以下の項目について研究を進めた。 (1)評価法の詳細化とプロトタイプソフトウェアの整備 前年度研究の成果を発展させ、摩耗、疲労、破損、種々の属性値変化(摩擦係数、弾塑性係数など)などの劣化状態を識別し、モデル化を拡張した。構成要素が劣化した状態の機構の動作シミュレーションを行い、劣化したメカトロニクス機構の動作評価を行えるソフトウェアを発展させた。製品から取り外された部品の劣化状態を予測し、再利用のために必要な補修・再生産工程と品質検査手順を生成する手法を研究した。使用済による劣化程度、再利用のための補修・再生産コスト、再使用環境での要求精度、などにより、適切な再利用時期が決定されることになる。 (2)利用者を循環型生産へ誘導するための再利用情報提示法 製品を適切に循環させるためには、利用者に対象製品のライフサイクルを理解させ、製品を滞留・廃棄させないことが必要である。そのために、ライフサイクル設計の情報を開示し、利用者に利用指針を徹底させるための情報提示法を研究し、現実的な妥当性を検証した。
|
-
[Publications] M.Matsuda & F.Kimura: "A Model Integration Framework for Life Cycle Engineering"Proc.Life Cycle Engineering (6th CIRD Seminar). 332-341 (1999)
-
[Publications] 加藤悟、木村文彦: "製品ライフサイクル評価のためのライフサイクルコスティング"エコデザイン・'99ジャパンシンポジウム. 80-83 (1999)