1998 Fiscal Year Annual Research Report
インプロセス機能制御による走行ワイヤ工具の開発と複合精密加工への応用
Project/Area Number |
10555044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
毛利 尚武 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90126186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真柄 卓司 三菱電機(株), 名古屋製作所, 主事
鈴木 政幸 三〓ファインツール(株), 社長
増沢 隆久 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013215)
古谷 克司 , 助教授 (00238685)
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Keywords | ワイヤ放電加工 / ワイヤ放電研削 / 放電表面処理 |
Research Abstract |
本研究では走行する細線ワイヤを工具として,その走行経路の途中でワイヤ表面に表面改質加工や研削加工などを可能にする機能を付与し,これによって同一機械上での高精度複合加工の実現を目指している. 平成10年度は以下の成果を得た。 1. ワイヤ走行系の試作: 経路途中に各種の被覆方式を実行できる処理装置を設けたワイヤ走行系を製作した.製作にあたっては放電塗布されたワイヤ表面上の皮膜の影響を排するため、プーリ方式のガイドを採用した。放電塗布用の電極には羽根車を設けて油加工液中で回転する構造とした。 2. 走行ワイヤに対する粉末被覆: WC-CoまたはTiH_2粉末からなる圧粉体電極を製作し、これによって走行ワイヤに対する放電被覆を実行した。ワイヤへの放電被覆においては同一材料ブロック上への処理と比較して、放電痕が大きくなり、これに伴い被覆面の粗さが増大することが判明した。これは加工部位の見かけの熱容量や熱伝導が異なるためであり、したがって細線への放電においては固有の加工条件を選択する必要がある。また導電性接着剤を用いた粉末被覆方式においてはワイヤ走行系内におけるキュア工程の高速化がさらなる検討課題となる。 3. 塗布処理ワイヤによるワイヤ走行系および加工機能の確認: 実用走行速度におけるワイヤの走行状態をガイド部とワイヤ振動変位とを計測し、数μmから十数μmの変位を確認した。また試作したワイヤ走行系を既設の形彫り放電加工機上に設置し、放電加工特性を調査した。TiC被覆されたワイヤによって加工物が研削できることを確認した。 4. 各種のワイヤ電極を利用した表面改質機能の確認既設の加工機械を用いて、各種材料おいび線径のワイヤによる放電表面改質実験を実施し、その放電特性を調査した。その結果、細線電極を用いた表面被服処理においては短絡電流の効果が著しいことが判明した。
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[Publications] 武沢英樹他: "電極形態の違いによる放電加工特性" 1998年度電気加工学会全国大会講演論文集. 145-146 (1998)
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[Publications] 武沢英樹他: "細線電極による電極消耗現象" 1999年度精密工学会春季大会講演論文集. 406 (1999)
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[Publications] 小菅守 他: "放電表面処理における放電位置の観察" 1999年度精密工学会春季大会講演論文集. 415 (1999)
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[Publications] 三宅英孝他: "放電表面処理における改質層形成メカニズムの検討" 1999年度精密工学会春季大会講演論文集. 414 (1999)