1999 Fiscal Year Annual Research Report
すべり軸受面の摩擦変形形状を現場で非接触自動計測する装置の製作と実証試験
Project/Area Number |
10555047
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
田中 正人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10011131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 十太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20114514)
福島 義明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20011075)
鈴木 健司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (50251351)
榊田 均 株式会社 東芝, 重電技術研究所, 主査(研究職)
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Keywords | すべり軸受 / 摩耗 / 形状測定 |
Research Abstract |
すべり軸受の潤滑面は,使用時間の経過とともに摩耗変形が進行し,新造時とは異なる軸受面形状を呈するようになることが知られている。これは,起動・停止時,低速運転時などに十分な厚みの潤滑油膜が形成されず、ジャーナルと軸受が固体接触する確率が増えることが原因と考えられる。摩耗変形が発生して油膜形状が変化すると,すべり軸受の油膜形成能力やすべり軸受でささえた回転軸の安定性が低下することが知られており,摩耗変形量の正確な把握は回転機械の運転信頼性を確保する上で極めて重要である。しかし,実際には回転機械の開放点検時にすべり軸受面を目視で調べるにとどまっており,定量的な計測は行われていない。これは、回転機械を設置したサイトで摩耗変形を迅速かつ簡便,高精度に計測できる装置がないためでもある。 そこで本研究では,直径数百mmの大型すべり軸受の潤滑面に発生した深さ数十ないし百数十μmの摩耗変形を,数μm以下の誤差で簡便,迅速に検出できる非接触計測装置,およびデータ処理アルゴリズムを開発した。測定プローブとしてレーザー利用変位計を当初試用したが,潤滑面から数十mmの距離に光源を置くと,潤滑面の光反射特性が一様でないこと,レーザービームスポット径を小さくするのが困難であること,ノイズが大きいことなどから光の乱反射を利用した軸受表面位置計測は十分な精度を得ることが難しいとの結論になった。一方,渦電流式変位センサーを測定プローブとして用いた場合はこのような問題もなく,高精度の計測が可能であることが判明した。今年度は,1次測定データから無摩耗領域と摩耗領域との境界を自動的に判別して摩耗痕形状を計測するアルゴリズムを開発し,またリニアアクチュエータによりプローブを軸方向に自動的に走査させる機構を開発,設計,製作し,いずれも正しく機能し,高精度の摩耗痕形状計測が可能であることを確認した。
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