1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555048
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩附 信行 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70193753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 広一 東京工業大学, 工学部, 助手 (00282830)
林 巌 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016790)
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Keywords | 管内移動ロボット / 「ねじ原理」マイクロロボット / 管内検査 / 管路網 / 段差通過 / 駆動トルク / 性能解析 / 機構 |
Research Abstract |
原子力発電所の給水管から民間家屋のガス管に至るまで,管路網は社会のもっとも重要なインフラ設備であるが,その保守点検は容易ではない.このために筆者らは,アーム先端に管軸に対して斜めに取り付けたタイヤを管内壁に押し付けつつ本体を回転させるのみで直径20mm程度の細管内を走行できる,「ねじ原理」マイクロロボットを開発してきた.本研究では,このロボットの実用化を目指し,段差や分岐などの実際の管路の障害を克服して管内視覚検査が可能なロボットを開発する.本年度は,段差乗り越え機能を具備させることを目的として研究を行った.得られた主な研究成果は以下のとおりである. (1) 段差乗り越え機構の考案 従来の「ねじ原理」移動作業ロボットの駆動ユニットのタイヤ押し付けアームの先端に取り付け半径を変えて2個のタイヤを配置することとし,さらにそのユニット2個を背面合わせとして対応する前後のアームを歯車で連動させることにより,前進・後退ともに2個のタイヤで順次段差を乗り越える段差乗り越え機構を考案した. (2) 段差乗り越え機構の性能解析 考案した段差乗り越え機構の段差通過時の力とモーメントの釣り合い式から,段差の高さに対して必要な駆動トルクを理論的に導出した.さらに,基礎実験を行って理論の妥当性を検証するとともに機構の寸法諸元と通過可能段差との関係を明らかにした. (3) ロボットの試作と段差管内走行実験 前項の解析結果に基づいて,直径100mmから75mmの同心または偏心段差管を通過可能なマイクロロボットを設計・試作した.ロボットにフレキシブルワイヤで駆動トルクを与えることにより,20m先の管内において所望の段差通過が可能であることを確認するとともに,段差乗り越え機構による著しい駆動トルクの増加はないことを明らかにし考案した機構の有用性を示した.
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