1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 雄二 九州大学, 工学部, 教授 (10037997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 正人 出光興産, 営業研究所, 研究員
小野 文慈 九州大学, 工学部, 助手 (60224276)
権藤 誠吾 九州大学, 工学部, 助手 (50037975)
杉村 丈一 九州大学, 工学部, 助教授 (20187660)
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Keywords | 代替フロン / 潤滑油 / ポリビニルエーテル / ポリオールエステル / 摩擦 / 摩耗 / 添加剤 / アルミ合金 |
Research Abstract |
・新規に開発したポリビニルエーテルPVEの摩擦摩耗特性を各種の基礎的試験機を用いて調べた.その結果,ポリオールエステルPOE,ポリアルキレングリコールPAGに比べて大きい粘度-圧力係数αを有するPVEは,境界潤滑域での摩擦係数は他の潤滑油に比べて高いものの,優れた摩耗特性を有する.すなわち,境界潤滑膜には2つのタイプ,固化膜と吸着膜があり,今回実施した試験条件範囲では,PVE固化膜の摩擦面保護能力がPOEの吸着膜主体の境界潤滑膜よりも優れている. ・吸着膜主体の境界潤滑膜を形成するPOEに比べて固化膜主体のPVEの方がTCP,脂肪酸のような添加剤による摩擦摩耗特性の改善効果が認められる.しかし,改善効果は鉱油のような無極性潤滑油に比較して低い. ・潤滑油へのHFC134aの溶解特性を調べるとともに,溶解に伴う潤滑油の粘度変化を新規に製作した転落球粘度計により調べた.HFC134aと相溶性のほとんどない鉱油系潤滑油に比べて,合成油系の代替フロン用潤滑油は高い溶解度とそれに伴う粘度減少が認められた.溶解に伴う潤滑粘度減少率は(溶解度/潤滑油分子量)の大きいものほど高くなる.また,HFC134aの溶解特性が摩擦摩耗特性に影響を与える. ・アルミ合金/鋼の組合せにおいて,潤滑油の極性の高いものほどアルミの鋼への移着が促進され,移着に伴い摩擦係数の増加,アルミ合金の摩耗の著しい増加が生じる.また,アルミ移着対策としてはアルコールとくに一分子の両末端のヒドロキシ基を有する二価アルコールの添加が有効である.また,HFC134a雰囲気中では摩擦面にフッ化物が生成され,摩耗を低減する.
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[Publications] Yuji YAMAMOTO: "Friction and Wear Characteristics of Lubricants for Alternetive Refrigerant MFC134a" JSME International Journal, Series C. 41・2. 278-284 (1998)
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[Publications] Yuji YAMAMOTO: "Friction and Wear Performance of Polyvinylether(PVE) in Boundary Lubrication Regime as a Lubricant for an Alternative Refrigerant" Proc. 1998 Intern. Refrigeration Conf. at Purdue. 367-372 (1998)
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[Publications] 山本雄二: "代替冷媒用潤滑油ポリビニルエーテル(PVE)の摩擦摩耗特性" 日本機械学会論文集,C編. 64・624. 3179-3184 (1998)
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[Publications] 金重〓: "代替冷媒用潤滑油の摩擦摩耗特性に及ぼす添加剤の影響" 日本機械学会論文集,C編. 65・631(印刷中).
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[Publications] 金重〓: "代替冷媒用潤滑油の摩擦摩耗特性に及ぼす添加剤の影響" 日本機械学会論文集,C編. 65・631(印刷中). 1999: