1998 Fiscal Year Annual Research Report
ER(電気粘性)流体を用いた高機能管内作業マイクロマシンの試作
Project/Area Number |
10555058
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 和弘 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (00220632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 豊 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (80293059)
横田 眞一 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (10092579)
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Keywords | マイクロマシン / ER流体 / 管内走行機械 / マイクロバルブ / マイクロポンプ / 機能性流体 / 流体制御システム / アクチュエータ |
Research Abstract |
原子炉細管メンテナンスロボットなど直径10mm以下の高機能管内作業マイクロマシンを実現するため,本研究では,印加電界によりみかけの粘度を制御可能なER(電気粘性)流体を作動流体として用いた,シンプルでマイクロ化が容易な構造の流体制御システムの開発および応用に関する検討をおこなう.本年度はその高機能要素の開発をおこなった. (1) 粒子分散系ER流体を用いた回転形アクチュエータの試作:出力軸に固定された平行円板形電極対の間に粒子分散系ER流体を流し,電界印加により円板形電極に対する粘性摩擦を増加させ回転運動を取り出す,シンプルな構造の新しい回転形アクチュエータを提案した.基本特性把握のため直径67mm,高さ80mmのアクチュエータを試作し,供給圧力0.2MPa,印加電界強度4.0kV/mmで最高回転速度7.8rad/s,最大出力トルク7.8Nmmを得た. (2) 均一系ER流体を用いたマイクロ制御弁の試作:均一系ER流体を作動流体としたマイクロERバルブを提案,試作し,特性実験をおこなった.まず幅2.5mm,長さ3mm,間隔0.2mmの平行平板電極から成る2ポートERバルブを試作し特性実験をおこなった.つぎに得られた結果に基づき,直径5mm,厚さ5.5mmの3ポートマイクロERバルブを設計,試作し,供給圧力0.5MPa,負荷流量零のとき,負荷圧力変化0.2MPa,バンド幅0.5Hzを実現した. (3) 共振駆動形高出力圧電マイクロポンプの試作:流体パワー源として,圧電素子および慣性質量を取付けたべローズの共振による大きな体積変化を用いた,直径9mm,高さ10mmの高出力マイクロポンプを提案,試作した.まず水道水を作動流体とした特性実験により提案手法の有効性を示した.つぎに粘度が高い均一系ER流体をポンピングするための改良を加え,最大吐出流量15mm^3/s,最大吐出圧力0.2MPaを実現した.
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[Publications] J.H.Park,K.Yoshida and S.Yokota: "Resonantly Driven Piezoelectric Micropump" Proc.6th UK Mechatronics Forum int.Conf.(Mechatronics'98). 441-446 (1998)
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[Publications] 朴 重濠,吉田和弘,横田眞一 高取宏樹: "均一系ER流体を用いたマイクロ液圧制御システム(バルブ・ポンプから成る圧力制御システムの試作)" 日本機械学会第76期全国大会講演論文集. V. 253-254 (1998)
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[Publications] 吉田和弘,高取宏樹,朴 重濠,横田眞一: "均一系ER流体を作動流体としたマイクロバルブ" 日本機械学会山梨講演会講演論文集. 81-82 (1998)
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[Publications] 吉田和弘,高取宏樹,朴 重濠,横田眞一: "均一系ER流体を作動流体としたマイクロバルブの基本特性" 計測自動制御学会第13回流体制御シンポジウム講演論文集. 53-56 (1998)