1998 Fiscal Year Annual Research Report
液晶と分散系ER流体を用いた複合機能を有するマイクロ流体制御デバイスの開発
Project/Area Number |
10555059
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長谷川 富市 新潟大学, 工学部, 教授 (80016592)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅子 佳延 日本触媒, 筑波研究所, 主任研究員
|
Keywords | 機能性流体 / 液晶 / ER流体 / 電気粘性効果 / マイクロ流体力学 |
Research Abstract |
これまで研究してきたマイクロERダンパーの適用範囲を拡大し、さらにセンサー機能を加えて実用性の高い複合型マイクロ流体制御デバイスの開発を目指し、本年度は液晶と分散系ER流体を併用したERチャネルに利用する液晶用、分散系ER流体用の各デバイス要素の改良と性能の検討を行った。 まず、液晶に関してはERデバイス部でのE-R効果を高いせん断速度域でより有効にするために数種類の液晶を用いて実験し、その性能比較から液晶のER特性改善に重要な要素を調べた。その結果、液晶の誘電異方性は液晶分子の揺れに対して影響し、誘電異方性が高い方が高せん断速度域まで有効なER効果を維持するが、そのER効果自体の大きさには液晶の分子構造が影響することが分かり、実用的なERデバイスに適合する液晶を探す方向づけを得た。また、あわせて液晶チャネルの可視化による流量測定のために2次元流路内での液晶の挙動を偏光板を用いて可視化観察し、液晶の光学的異方性と観察される映像との関連を検討し、流量変化に対し流動パターンが明確に変化する材料の選定を行った。さらに、電極面を配向処理することにより、流量変化に伴って良好に流動パターンを変化させる基礎的実験も行っており、現在、この点の検討を進めている。 一方、分散系ER流体に関しては微小流路の形状を変化させ、より有効なER効果を得る実験を試みた。その結果、微小ERデバイスとしては平行電極による流路だけのものよりは、電極で作られる縮小流れ部を有する流路を用いた方が高いER効果が得られ、また、流動も安定することが明らかになった。 上記の結果は次年度以降の研究の基礎となるものであり、現在、これら双方の検討結果をもとに、両ERデバイスを併用して両者の利点を併せ持つERデバイスの試作を行っている。
|
-
[Publications] 林部敬・長谷川富市 他: "分散系ER流体の微小流路内の縮小・拡大流れ" 第46回レオロジー討論会講演要旨集. 37-38 (1998)
-
[Publications] T.Narumi,T.Hasegawa,et.al.: "Rheological Characteristics of Liquid Crystals in Narrow Gaps under Electric Fields" Proc.of 8th National Conference on Rheology,Australia. 169-172 (1998)