2000 Fiscal Year Annual Research Report
液晶と分散系ER流体を用いた複合機能を有するマイクロ流体制御デバイスの開発
Project/Area Number |
10555059
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長谷川 富市 新潟大学, 工学部, 教授 (80016592)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅子 佳延 (株)日本触媒, ファイン開発業務部, 主任研究員
鳴海 敬倫 新潟大学, 工学部, 助教授 (20143753)
|
Keywords | 機能性流体 / 液晶 / 分散系ER流体 / 電気粘性効果 / 流体制御 / エレクトロレオロジー |
Research Abstract |
広い使用範囲で有効なダンパー機能および流量計測機能の複合機能を有するマイクロERチャネルの開発を目的として,本年度は,まず,液晶用、分散系ER流体用の各デバイス要素の利点を併せ持つ複合型ERデバイスを作成し,その性能と電場制御法の検討を行った。その結果,流量の広い範囲での制御が可能になることは確認されたが,昨年からの問題である長時間の使用での液晶と分散系ER流体のオイルの拡散混合問題の解決が難しく,更なる改良が必要であることが分かった。現在,この点を考慮した新しいデバイスを試作しており,検討を続けている。 また,これと平行して,分散系ER流体の微小流路内でのER効果発生機構の詳細な解明から更なるデバイスの改良を目指した。その結果,微小流路内での分散系ER流体のER効果は電極面に形成される分散粒子層により主流部の流域幅が狭まることによる影響が支配的であることが分かり,この点からすきまの最適値の予想が可能になると考えられた。 一方,液晶ERデバイスの電場による配向と流動配向による光学パターンの変化と流速との関係を用いた流量測定法についても,電極を一部エッチングした流路により検討を重ね,櫛歯状の電極で生じる光学パターンの変化からせん断速度すなわち流量を算出する方法を開発した。現在,さらに高精度に見積もる算定方法を確立中である。 これらの結果から目的とする複合機能を有するマイクロERデバイスを実用的条件の下でも作成可能なことが分かり,現在,最終段階の検討を行っており,本課題に関する研究は次年度中に完成する見込みである。
|
-
[Publications] 鳴海敬倫,菅原圭一,長谷川富市,五十嵐隆治: "微小すきま内の液晶のER特性に対する液晶物性と壁面配向処理の影響"日本レオロジー学会第27年会講演予稿集. 113-114 (2000)
-
[Publications] 岩谷圭太郎,鳴海敬倫,長谷川富市,菅原圭一,五十嵐隆治: "ミクロンオーダーのすきま内での液晶のER効果"日本機械学会2000年度年次大会講演論文集. Vol.4. 277-278 (2000)
-
[Publications] 渡邉貴穂,鳴海敬倫,長谷川富市: "分散系ER流体の微小流路における粒子の挙動"第48回レオロジー討論会講演要旨集. 135-136 (2000)