1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松久 寛 京都大学, 工学研究科, 教授 (00109034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 正志 特許機器(株), 技術部, 部長
井上 喜雄 高知工科大学, 工学部, 教授 (50299369)
坪井 陽一 京都大学, 医学研究科, 講師 (60221420)
西原 修 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (00218182)
本田 善久 京都大学, 工学研究科, 助手 (60181559)
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Keywords | 手術顕微鏡 / 振動制御 / コントロールモーメントジャイロ / 単一ジンバル機構 / ジャイロ制振装置 / 可変ゲイン制御 / 直接フィードバック / 加速度センサ |
Research Abstract |
本研究課題では,手術顕微鏡の有害な揺れを抑制する制振装置として,ジャイロ制振装置を開発している.繊細な作業となる眼科,外科などの手術においては専用の手術顕微鏡が使われる.その際,キャリア・アームが揺れると,それに伴い視野も大きく動揺し,医師の作業性が低下する振動障害となる.しかし,既存の制振技術は適用し難いと考えられるため,本研究ではジャイロモーメントによる振動抑制を試みている.本年度は当初の研究計画に沿って実験用のジャイロ制振装置を試作した.装置は一般的な手術用顕微鏡の諸元に準拠して,直径59mm,厚さ10mmの鋼製ロー夕を計6基の単一ジンバル機構にそれぞれ格納する構造とした.ロータの定格回転数は約3600rpmである.2個のジンバルが一組となり,平行クランク機構と平歯車を介してギヤドサーボモータに接続されている.これら計3組のジンバルは,直交する3軸まわりにジャイロモーメントを作用させるコントロールモーメントジャイロスコープ(CMG)を構成している.手術用顕微鏡のアーム先端付近に取り付けやすいように小型化をはかっており,六面体の各面に相当する位置にジンバルを配置している.装置は約25cm角の立方体に収まる程度となり,重量は約3kgである.一方,制御則として,はり構造物の曲げ一次モードを対象とした可変ゲイン制御について検討し,製作した制振装置で予想される応答を数値シミュレーションで求めた.来年度の実験では,DSPボードを制御装置として,はりの揺れを加速度センサで検出し,サーボモータを駆動する直接フィードバック方式を予定している.これらの装置類はすでに設計,製作を済ませて納入されており,平成11年度は,制御プログラムを開発するとともに,今年度の成果を踏まえて,手術顕微鏡のアームに相当する供試体の諸元を決定し,設計,製作を経て,実験を実施する計画である.
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