1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内小器官の直視下操作システムの開発・脳血管病変蓄積物質解明への応用
Project/Area Number |
10555077
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 知正 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50235371)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三由 貴史 オリンパス光学工業, 基礎研究所, 研究員
児玉 龍彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90170266)
|
Keywords | 微細作業 / 光学顕微鏡 / マイクロマニピュレータ / 細胞 / 切削 / 回収 / 高低倍同時観察 / 高剛性工具 |
Research Abstract |
本研究では、以下の三点の目標に対する成果を得た。 一点目は、プレパラートマニピュレーションシステムの試作であり、大局的広視野映像(10倍対物レンズ相当、実視野920×710μm)と、局所的高分解能映像(60倍対物レンズ、実視野136×105μm)が同時観察可能な双倍率顕微鏡と、プレパラートそのものをマニピュレーション工具として光学顕微鏡の高倍率観察下での作業が出来るガラス製スクレーパ工具(先端幅15μm、30μm)と分解能0.025μm、オープンループ精度1μmのステージを持つマニピュレータからなるプレパラートマニピュレーションシステムを試作した。 二点目は、遠隔微細作業時の作業状況の蓄積と再現を可能とするソフトウェア体系の構築であり、MPEG4ベースのオブジェクト別画像記録とビジュアルフィードバックによる工具軌道補正、GUIによる工具軌道の指示を行う制御ソフトウェアを開発した。 三点目は細胞内顆粒物質収集作業による評価実験である。 ラット脳血管ストレッチサンプルから、スクレーバ工具による目標細胞の周囲の切削作業を実施した。 マニピュレーションシステム自体は、GUI操作による遠隔切削作業を実施することが可能であり、数十μmの細胞領域を残し周囲を切削する切削作業を良好に実施することが出来た。 顕微鏡は、上記マニピュレータと組み合わせ、目標細胞が存在する、血管像の観察が広視野領域で可能であり、また、同時にその視野中央部の高倍率高分解能の観察も可能である。この観察環境下で上記切削作業を実施することが出来た。 また、上記システムプロトタイプなどによる半自動切削とピペットによる回収により細胞50検体の採集を行い分析担当者に提供した。また、課題としては、工具の安定的な作成手法の確立、細胞の回収手法の効率化によるより多くの検体の採取が望まれる。
|
-
[Publications] 佐藤知正、三由貴史、三田太一: "光学顕微鏡下におけるマトウ細胞分離収集システムの構築"日本機械学会1999年度年次大会講演会論文集(I). No.99-1. 419-420 (1999)
-
[Publications] T.Kasaya, H.Miyazaki, S.Saito, and T.Sato: "Micro Object Handling under SEM by Vision-based Automatic Control"Proc. 1999 IEEE International Conference on Robotics and Automation. May. 2189-2196 (1999)
-
[Publications] S.Saito, H.Miyazaki, and T.Sato: "Pick and Place Operation of a Micro Object with High Reliability and Precision Based on Micro Physics under SEM"Proc. 1999 IEEE International Conference on Robotics and Automation. May. 2736-2743 (1999)