1999 Fiscal Year Annual Research Report
無反射膜への希土類イオン注入による太陽電池の高効率化
Project/Area Number |
10555089
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
河野 勝泰 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90017418)
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Keywords | 太陽電池 / 希土類イオン / 無反射膜 / イオン注入 / ESR |
Research Abstract |
この研究では、太陽電池の効率改善の一つのアプローチとして、希土類錯体を使って太陽電池では利用されない短波長の光を希土類イオンに吸収させた後、長波長で発光させ、電池への入射光をその高い分光感度に変換させることで高効率化を試みている。これまで太陽電池の前面に希土類を含む無機単結晶を置いて、太陽光の波長移動を試みるテスト実験を行ない、十分に希土類の効果を確かめている。本研究では、太陽電池そのものに付着されている無反射膜(無機材巡りに直接、希土類イオン注入する実験を行う。イオン注入装置の利用は、産業界での半導体太陽電池の製造行程の一段階として組み込めることを可能とし、提案された希土類利用の太陽電池の実用化に大きく一歩近づく。しかし、昨年試みたa-Si太陽電池の無反射膜(Si0_2)、そして機構解明の補助として熔融石英板(99.9%Si0_2),シリコン熱酸化膜への希土類Euイオンの注入後レーザーアニールの実験では,希土類イオン注入の効果は大きく発揮されてなかった。今年度は、本学SVBLの注入装置及び地理的に近い都立産技研の高エネルギー(2 MeV)イオン注入装置、及び蛍光評価装置を用いて、Si熱酸化膜Si0_2/Siにイオン注入されたEu^<3+>(4f^6)、Tb^<3+>(4f^8)イオンの蛍光とESRによる欠陥の信号を得た。両イオンとも、900℃程度のアニールによって蛍光強度を強め、欠陥を減らすことができた。更に、強い発光を得るために無機物質中の希土類イオンの発光メカニズムをしらべ、電子状態を探るための、高感度24GHz帯ESR及び光磁気共鳴装置を製作中であるが、不足しているカウンター、ディテクター、位相器を新たに購入した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Tanaka,K.Tanaka,K.Kawano and R.Nakata: "Analysis of Space Charge Relaxation by Equivalent Electric Circuit for Yttrium Doped CaF_2"J. Phys. & Chem. Solides. 60. 247-256 (1999)
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[Publications] K.Kawano,T.Ohya,T.Tsurumi,K.Katoh and R.Nakata: "X-Ray Excitation Fluorescence of the EuX^2X^+-stabilized V_K Center in Alkaline Earth Fluoride Mixed-Crystal Systems"Phys. Rev. B. 60. 11984-11992 (1999)