1998 Fiscal Year Annual Research Report
新III-V族混晶を用いたガリウム砒素基板上長波長半導体レーザ
Project/Area Number |
10555105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
梶川 靖友 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (00294364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 豊 三菱電機株式会社, 光マイクロ波デバイス開発研究所, グループマネージャー
永井 豊 三菱電機株式会社, 光マイクロ波デバイス開発研究所, 主幹(研究職)
森谷 明弘 島根大学, 総合理工学部, 教授 (70029304)
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Keywords | 化合物半導体 / レーザーダイオード / 分子線エピタキシー / 混晶 / 結晶成長 / 光通信 / 光デバイス |
Research Abstract |
本研究は、InGaAsP/InP系にかわる新しい材料系としてBGaTIAs/GaAs系を提案し、この材料系により温度特性のよい1.5μm帯半導体レーザを開発することを目的としている。 初年度の平成10年度は、分子線エピタキシャル結晶成長(MBE)装置の改造を行なった上、GaAs基板上にInGaAs、TIGaAs、BGaAsの各単層膜結晶成長を開始。各単層膜について走査型電子顕微鏡(SEM)による成長膜厚の評価、X線ロッキングカーブ測定による混晶組成評価、微分干渉顕微鏡による成長表面観察を行なった。また、フォトルミネッセンス評価システム構築のため、分光器等のハードウエアと、それらの制御およびデータ処理のためのソフトウエアを揃えた。さらに本研究に深く関連した研究として、傾斜基板上に成長したGaAs表面の原子間力顕微鏡での観察を行なった。また、傾斜基板上の半導体ひずみ量子井戸の光学特性(特に偏光異方性)について、スピン軌道分裂バンドを取り入れた多重バンド有効質量近似による計算を行なった。 以上の結果として、TI、In、Ga、B、As、それぞれの分子線フラックス量の温度依存性のデータおよびエピタキシャル薄膜結晶の成長速度に関するデータが得られた。フォトルミネッセンス評価システムは、主要なハードおよびソフトウエアがほぼ揃った。また、GaAs傾斜基板上にエピタキシャル成長したGaAs表面の原子間力顕微鏡での観察を行なった結果、準周期的な段丘構造が観測されるなど成長様式に関する知見が得られたので論文発表した(Journal of Crystal Growth 194(1998)277-285)。傾斜基板上のひずみ量子井戸の偏光異方性の計算の結果、ひずみによって偏光異方性が著しく変わることがわかり、1998年秋季日本物理学会で発表した(27aYN-19)。
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Research Products
(1 results)