1999 Fiscal Year Annual Research Report
超高結合弾性表面波デバイスと高度情報通信システムへの応用
Project/Area Number |
10555111
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
山之内 和彦 東北工業大学, 工学部, 教授 (00006230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田川 裕之 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00250845)
高野 剛浩 東北工業大学, 工学部, 教授 (50085411)
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Keywords | 弾性表面波 / KNbO3単結晶 / 零温度係数基板 / 超高結合材料 / 広帯域フィルタ / 弾性表面波コンボルバ / 単結晶育成 |
Research Abstract |
弾性表面波機能素子は、高度情報通信に対応する高機能・高性能で、かつ高度に集積化された超小型の電子・情報・通信機能素子として盛んに研究が行われているが、さらに21世紀の高度情報通信に対応するためには、その基礎である材料の研究開発と機能素子への応用、及びそれに適したシステムの開発が是非必要である。このような要求を満たす材料として、これまでレイリー波モードで最も大きな電気機械結合係数をもつLiNbO3の約10倍の値を持つKNbO3を見いだした。この基板を用いることにより、超高帯域・低損失の弾性表面波フィルタ、超高帯域チューナブル信号発生器などが可能となる。 このKNbO3単結晶基板の実用化にあたっては、大型の単結晶が重要である。本研究費により、TSSG法(チョコラルスキー法と類似の方法)を用いて、融液面下で大型の〓金坩堝(60mmφ)を用いて、大型の育成を行い、50mm角、厚さ15mmの大型の透明な単結晶を得るとともに非線形誘電率顕微鏡を用いて、未分極状態でのC-軸を測定し、この軸方向に分極を行い、良好な単結晶を得ることができた。更に、この単結晶の弾性表面波特性を測定し、理論分析と良い一致を得た。 また、KNbO3の非線形特性を用いたCDMAなどのスペクトル拡散通信のキーデバイスであるコンボルバーの構造とその実験結果を行い、LiNbO3単結晶基板に比べて+20dB高い効率を得た。 また、複合型基板による温度補償について、応力下の非線形効果による弾性定数の変化を考慮してLiNbO3基板について検討し、64°Y-Xでゼロ温度と特性が可能であることを見いだした。また下地基板にマイナス膨張係数ガラスを用いることにより、TCD=19ppm/°Cの結果を得た。この複合基板は64°でK=11.3%であり、実用化が可能であり、広帯域フィルターへ応用する研究を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山之内 和彦: "ニオブ酸カリウム結晶のSAWデバイスへの応用"超音波TECHNO. Vol.11.No.4. 78-82 (1999)
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[Publications] K,YAMANOUCHi 他4: "10 GHz-Range Surface Acoustic Wave Low Loss Filter Measured at Low Temperate"Jpn.J Appl.Phys.. Vol.38 Part 1 No5B. 3270-3274 (1999)
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[Publications] 山之内和彦 他4: "半導体/圧電基盤構造を用いたSAWデバイスの開発"電情通学技報. Vol99.No422. 15-22 (1999)