2000 Fiscal Year Annual Research Report
Siウェーハ表面汚染インライン赤外診断装置の開発研究
Project/Area Number |
10555113
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20134075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 望 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (50323118)
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40312673)
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Keywords | 半導体 / 赤外分光 / 多重内部反射 / 表面汚染 / 有機物 / インライン・モニタ / 大口径ウェーハ |
Research Abstract |
半導体ウェーハ表面のクリーンテクノロジーにおける最大の問題は有機汚染であると言われている。有機汚染したウェーハ表面に酸化膜を形成した場合、酸化膜の絶縁性の劣化をもたらすからである。この問題を解決するためには、この有機汚染を高感度でかつ高速に検出して、表面清浄化プロセスにフィードバックする必要がある。そこで本研究は、超高速・高感度Siウェーハ表面有機汚染インライン診断装置を開発することを目的とした。測定法としては多重内部反射型の赤外反射分光を用いた。最終的な開発目標は、12インチまでの大口径シリコンウェーハまで対応でき、ウェーハ表面上の汚染箇所を同定できるような高性能赤外診断装置の試作である。 本年度は以下の研究成果が得られた。 (1)診断装置試作機の設計・製作 (1)赤外集光系(2)赤外分光光度計(3)試料(ウェーハ)ステージより成る試作機を製作した。この装置に、UVランプで表面の有機汚染を除去できる機能を取り付けた。 (2)汚染量の検出限界、適合ウェーハサイズの精密評価 Siウェーハの有機汚染源として注目されているDOP(ジオクチルフタレート)をアセトンに溶かしてウェーハ表面に回転塗布し、検出限界を定量的に見積った。その結果、検出限界は炭素原子数換算にして1010原子数/cm2であることが分かった。この検出限界は、電子デバイスの性能に有意な影響を与える臨界汚染濃度の1ないし2桁低いことが分かった。また、赤外線の透過度はウェーハの口径より、端面形状に大きく依存することを確かめた。赤外線が端面のどの位置から入射するかによって、検出感度にも影響を与えることが分かった。これらの結果は、実用機を試作する上で極めて有用な知見である。 (3)研究の総括 3年間の実験で得られた結果から、超高速・高感度Siウェーハ表面有機汚染インライン診断装置は極めて実用性が高いことが判明した。今後、実際の生産ラインへ導入する場合には、(1)赤外干渉計(分光装置)を小型化すること、(2)ウェーハ端面への入射を自動制御すること、(3)ウェーハ表面汚染の局所分析を可能にすること、(4)赤外光の高感度検出を可能にする方法を検討すること、などが必要である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuo Kimura et al.: "Initial stages of porous Si formation on Si surfaces investigated by infrared spectroscopy"Applied Surface Science. (印刷中).
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[Publications] Michio Niwano et al.: "In-situ Infrared Observation of Etching and Oxidation Processes at Si Surface in NH_4F Solution"Journal of the Electrochemical Society. 147. 1555-1559 (2000)