2000 Fiscal Year Annual Research Report
極微細半導体素子での基板電流ゆらぎに伴う素子寿命不確定性制御の研究
Project/Area Number |
10555115
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐野 伸行 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (90282334)
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Keywords | 衝突イオン化 / MOSFET / モンテカルロ法 / シミュレーション / 半導体デバイス / 素子寿命 / ホットキャリア / 電流ノイズ |
Research Abstract |
昨年度にその可能性を見い出した基板内不純物の離散的なばらつきに伴った電流ゆらぎについて、3次元デバイス・シミュレータを用いてさらに詳細な検討を行った。また、本年度は研究期間の最終年度にあたることから、これまでの研究成果を纏めるための研究成果報告書の作成を進めた。具体的な検討内容と成果は、以下のようにまとめられる。 1.デバイス・シミュレータの3次元化をSi-MOSFET構造のもとで行ったうえで、不純物の離散性を考慮するための標準的モデルである′atomistic′不純物モデルを導入した。そして、物理的観点からこのモデルの正当性を検討した。その結果、′atomistic′不純物モデルを用いた場合は、MOSFETのしきい値領域でのサブスレショルド電流が物理的に不自然にシフトすることを見い出した。これは、ドリフト拡散シミュレータに想定されている静電ポテンシャルと、′atomistic′不純物モデルが作るクーロン・ポテンシャルとが物理的に整合が取れていないためであることを見い出した。 2.′atomistic′不純物モデルの上述の物理的問題点を克服する3次元シミュレーションのための新しい離散不純物モデルを構築した。そして、この新しい不純物モデルの正当性を明確にするために、不純物の不均一性(ばらつき)が無視できるような比較的大きいデバイス構造で、これまでの2次元デバイス・シミュレーションによる結果が再現されることを確認した。さらに、デバイス・サイズの微細化に伴って、サブスレショルド特性にばらつきが生じることを検証した。 3.これまでの過去3年間の研究成果をまとた総合研究成果報告書の作成を進めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nobuyuki Sano et al.: "Statistical Threshold Fluctuations in Si-MOSFETs : Jellium vs, Atomistic Dopant Variations"Proc.International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM-2000). 216-217 (2000)
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[Publications] Kazuya Matsuzawa et al.: "Monte Carlo Simulation of Current Fluctuation at Actual Contact"Proc.International Conference on Simulation of Semiconductor Processes and Devices (SISPAD-2000). 233-236 (2000)
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[Publications] Kenji Natori et al: "A Monte Carlo Study of Current-Voltage Characteristics of the Scaled-Down Single-Electron Transistor with a Silicon rectangular Parallelepiped Quantum Dot"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.5A. 2550-2555 (2000)
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[Publications] Nobuyuki Sano et al.: "Role of Long-Range and Short-Range Coulomb Potentials in Threshold Characteristics under Discrete Dopants in Sub-0.1 um Si-MOSFETs"International Electron Devices Meeting Technical Digest. 275-278 (2000)
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[Publications] 佐野伸行 他: "(依頼講演)Vthばらつきの定量的シミュレーションにむけた離散不純物モデル"シリコンテクノロジー研究会. Vol.25. 50-55 (2001)
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[Publications] Nobuyuki Sano: "(招待講演)Device Physics and TCAD : Simulation Issues for Sub-100 nm Devices"Proc.SEMICON Korea Tech.Symposium. 473-485 (2001)