1998 Fiscal Year Annual Research Report
次世代磁気記憶デバイスと極微信号処理方式の基本技術の開発
Project/Area Number |
10555122
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒木 幸令 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (40234596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中司 賢一 九州大学, 工学部, 助教授 (50237252)
浅田 裕法 山口大学, 工学部, 助教授 (70201887)
松山 公秀 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (80165919)
谷口 研二 久留米工業大学, 電子情報工学科, 教授 (10217127)
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Keywords | 磁気ディスク装置 / 信号処理 / 磁性体デバイス / 磁気記録 / 集積回路 |
Research Abstract |
磁気記録装置の記録密度を向上のために、次世代磁気記録デバイスの検討と極微再生信号の処理方式に関して検討を行った。磁気記録デバイスとしては、磁気スピンバルブ素子の検討行った。信号処理方式に関しては、ウェーブレット解析による方法を検討し、以下の結果を得た。 (1) 磁気スピンバルブ効果を利用した磁気ヘッド作製のために素子の構造と製作プロセスの検討を行った。強磁性体(Fe、Co、Ni等の遷移金属)と酸化物半導体(SnO_x)からなる人工格子膜を作製し、評価を行い、ナノオーダスケールでの人工格子構造が作製できることを確認した。 (2) 信号処理方式の検討では、始めに、コンピュータシミュレーションによりウェーブレットによる信号処理アルゴリズムについて検討した。記録密度はk=2以上を仮定し、ランダムなバイナリーデー夕系列を入力データとし、これにガウス雑音を重畳し、メキシカンハットとフレンチハットの2種類のマザーウェーブレットを用いウェーブレット解析した結果、フレンチハットを用いた場合では符号間干渉の除去とS/Nの大幅な改善が図れた。次に、ウェーブレット解析アルゴリズムを集積回路化するためには、入力信号のオーバーサンプリングと並列処理が必要であるため精度の高い(ジッタの少ない)、等間隔の多相クロックを必要とする。このウェーブレットを利用した磁気ディスク用信号処理LSIの実現性を検討するにあたって、オーバーサンプリングのために重要であるクロック生成回路(PLL回路)を検討し、1.2μm CMOSデザインルールで設計・試作を行った。測定、評価の結果、PLLは電源電圧5Vの時、約300MHzで動作し、消費電力は約30mWであった。
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[Publications] Kimihide Matsuyama: "Geometrically Induced GMR Behavior in Quarter Micro-Mater Strip Pattern" Abstracts of the 43rd Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials. ET-02 (1999)
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[Publications] 吉澤 弘泰: "オンチップクロック生成PLLの低ジッタ・小面積化設計" 九州大学大学院システム情報科学研究科報告. 4・1(印刷中). (1999)