2000 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属酸化物半導体の薄膜化による高耐久性を有する味センサシステムの開発
Project/Area Number |
10555133
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
関 享士郎 岩手大学, 工学部, 教授 (60003860)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 洋 岩手大学, 工学部, 助手 (10261463)
|
Keywords | 味 / センサ / 飲料 / 遷移金属酸化物 / MnZnフェライト / 薄膜 / スパッタ法 / アニーリング |
Research Abstract |
本年度の研究概要を以下に示す. ・味センサシステムの自動計測装置を作製した.味センサシステムのセンサ部には,スパッタ法で作製したフェリ磁性薄膜(FMF:Ferri Magnetic Thin Film)が使用されている.FMFの応答はFMF表面と試料溶液との電気的な接触による.この場合,FMFの表面電位は電気2重層より発生するため,物理的刺激が加わっても比較的短時間で平衡状態に戻りヒステリシスの原因とならないが,膜内電位は膜内におけるイオン等の拡散速度がきわめて遅いため,安定までに長時間を要する.したがって,試料溶液へのFMFの投入は短時間であることが望ましい.そこで,FMFが一定時間(2秒間)のみ試料に浸るように,センサ部昇降装置を作製した.また,各試料溶液測定後は,精製水を用いてFMFの出力が試料溶液測定前にあらかじめ測定しておいた精製水に対する出力と等しくなるまでクリーニング処理が施されるが,それらを自動で行うターンテーブル機構を追加した.これらの装置の動作をコンピュータにて管理することで,出力の再現性が向上した. ・岩手県内の名水に指定されている主なわき水と,市販のミネラルウォータの識別試験を行ったところ,人間の感覚では識別が比較的困難と思われるこれら全ての試料を明確に識別できることを確認した. ・上記の試料を含め,様々な試料に対する識別試験を約10ヶ月間行ったが,センサ部に使用したFMF薄膜は,膜の剥離や劣化等が確認されず,安定な出力特性を示すことを確認した. 以上の研究結果は,11項に示した論文を含め国内外の学会に報告した(投稿中を含む).
|
-
[Publications] H.Osada,S.Kuboichi,Y.Yachi,S.Chiba,H.Oka and K.Seki: "Construction of Drink Recognition System with Ferri Magnetic Thin Film"Proceedings of the 8th International Conference on Ferrites. (印刷中). (2001)
-
[Publications] H.Osada,Y.Yachi,S.Chiba,H.Oka and K.Seki: "Basic Characteristics of Temperature Sensitive Magnetic Thin Film Fabricated from Multilayered Metal Film"Proceedings of the 8th International Conference on Ferrites. (印刷中). (2001)