2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555142
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 正之 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20023286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂高 一条 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00293663)
坂本 登 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00283416)
杉本 謙二 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (20179154)
佐藤 光政 川崎重工業(株), 航空宇宙事業本部, 研究員
安藤 嘉則 群馬大学, 機械システム工学科, 講師 (70242831)
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Keywords | 消散システム / 位相余裕 / ゲイン余裕 / 受動性 / ロバスト制御 |
Research Abstract |
平成12年度は,以下のような研究を行った. ・安定余裕を考慮した制御システム設計理論の展開 むだ時間要素を含むシステムの安定化問題において、むだ時間要素を制御系の位相遅れ要素とみなすことにより、むだ時間要素のないシステムに対して指定された位相余裕を持たせるという問題に帰着させた。これによってむだ時間要素をもつシステムの安定化の問題をH-infinity制御問題の特殊な場合に帰着させることができた。このようにして、むだ時間も外乱やシステムのパラメータ変動と同様に、制御系に対する摂動とみなすことにより、むだ時間システムのロバスト安定化の理論を確立した。 ・シミュレーション実験 開発した設計法の有効性を確認するために、航空機の運動制御をとりあげ、シミュレーション実験をおこなった。航空機の制御においては、耐空性基準によって、厳しく制御仕様が定められている。そこで、コントローラの計算時間遅れをむだ時間と考え、開発した設計法を適用することによりコントローラを求め、実際に仕様を満たすことをシミュレーションによってたしかめた。さらに、柔軟構造物の振動制御のシミュレーション等を行い、本研究の有用性と汎用性をたしかめた。
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[Publications] I.Hodaka,N.Sakamoto,M.Suzuki: "New Results for Strict Positive Realness and Feedback Stability"IEEE Transactions on Automatic Control. 45. 813-819 (2000)
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[Publications] 穂高,鈴木: "特異摂動システムの安定化とロバスト安定性"計測自動制御学会論文集. 36. 757-765 (2000)
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[Publications] I.Hodaka,M.Suzuki: "Stabilization and Robust Stability of Singularly Perturbed Systems"Preprints of 3rd IFAC Symposium on Robust Control Design. (2000)
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[Publications] 中村,穂高,鈴木: "位相余裕を用いたむだ時間に対する安定化"第37回日本航空宇宙学会中部・関西支部合同秋期大会. 66-67 (2000)
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[Publications] 穂高,鈴木: "非線形特異摂動システムに対する合成制御則"第23回 Dynamical System Symposium 資料. (2000)
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[Publications] 佐藤,穂高,杉本: "安定余裕を指定した部分極配置-多項式ILQ法の拡張-"システム制御情報学会論文誌. 13. 30-37 (2000)
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[Publications] 鈴木,早川,安田,細江: "動的システム論"コロナ社. 195 (2000)