1998 Fiscal Year Annual Research Report
ケーブル偏向部におけるフレッティング疲労に関する研究
Project/Area Number |
10555145
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角田 與史雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60001210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 靖彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60261327)
古内 仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60165462)
上田 多門 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00151796)
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Keywords | ケーブル偏向部 / フレッティング / 応力振幅 / 腹圧力 / 疲労寿命 / 疲労強度式 |
Research Abstract |
相互に接触する複数の物体が変動応力によって微小なすべり運動するときに生じる磨耗現象をフレッティングと呼ぶ。一般に、フレッティング現象が発生すると単体のときに比べて疲労強度が低下することが知られている。コンクリート系構造物においても、近年、外ケーブルPC橋、PC斜張橋あるいはエクスタラドーズドPC橋などが構築され、ケーブルの偏向部においてフレッティング現象を伴うことは避けられない。橋梁に用いられるケーブルは多数のPC鋼より線から成り立っており、各より線の素線間でフレッティング現象が発生する。本研究は、このような橋梁構造物におけるケーブルのフレッティング疲労に対し、そのメカニズムと主要影響因子等の解明と設計における安全性について検討することを目的として行った。実験では、橋梁におけるケーブル偏向部での挙動を再現するため応力振幅、相対すべり量、腹圧力を制御できるモデル化された供試体(PC鋼より線S12.7)を用いて行われた。今年度は、実験変数として、フレッティング疲労の主要影響因子の1つであると考えられる腹圧力を選定した。本実験データに加えて、既往の研究における実験データを合わせて分析を行い疲労強度式の構築を試みた。その結果、PC鋼より線のフレッティング疲労に対しては、腹圧力と応力振幅の2つが主要なパラメータとなることが明らかとなった。なお、本研究で対象としたパラメータの範囲では、相対すべり量は応力振幅に依存しており両者は比例関係にあった。したがって、疲労強度式は腹圧力と応力振幅の影響を取り入れて構築した。全データについて、実験値における疲労寿命と疲労強度式による計算値に対して対数比をとったところ、その平均値は1.0で変動係数は0.05となり、疲労強度式は十分な精度をもつことが確認された。
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Research Products
(2 results)