2001 Fiscal Year Annual Research Report
尿素を用いた低発熱型高流動コンクリートの開発に関する研究
Project/Area Number |
10555148
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阪田 憲次 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (20093685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾野 克紀 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10212581)
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Keywords | 低発熱性 / 高流動 / 耐久性 / 石灰石微粉末 / 尿素 / ハイパフォーマンス / マスコンクリート / 自己充填 |
Research Abstract |
自己充填性を有する高流動コンクリートは、施工の善し悪しに影響されることなくコンクリート構造物を建設することが可能であることや、従来では打込みが困難であった狭い閉所にも適用可能であることにより、実際の現場においても様々な形で用いられている。また,コンクリート二次製品メーカーにおいても,コンクリートの締固め時に発生する騒音の防止ならびに生産性の向上を目的として,自己充填コンクリートの研究開発が数多く行われ,実用化され始めている。 本研究は、このような現状を考慮し、強度、耐久性のみならず、低発熱性をも有する高流動コンクリートの開発を目的とするものである。本研究においては、石灰石微粉末を粉体として用い、高性能減水剤および分離低減剤を用いた併用系高流動コンクリートをベースにする。このようなコンクリートに尿素を添加し、尿素が水と吸熱反応することを利用して低発熱性を付与する。まず、このような低発熱型高流動コンクリートの合理的な配合設計法を確立し、強度と発熱特性との関係および尿素の添加量の決定について明らかにした。 本研究で開発しようとする高流動コンクリートは、単に自己充填性を有するだけでなく、耐久性に優れ、乾燥収縮が小さく、温度ひびわれを防止することの可能な低発熱性を有するハイパフォーマンスコンクリートである。本研究のように、混和材料の吸熱反応によって低発熱性を確保する方法は内外ともに最初の試みであり、きわめて独創的である。その成果は、ダムの内部コンクリートや長大橋の橋脚基礎などのマスコンクリートの合理化施工に貢献するところきわめて大きいと考えられる。 さらに、本研究で混和剤として用いたユリアをコンクリートの凝結時間調整剤として利用する方法ならびに産業廃棄物である銅スラグをコンクリート用細骨材として有効利用する際の補助剤としての利用方法を提案した。
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