1999 Fiscal Year Annual Research Report
積層型複合構造体の力学的挙動に及ぼす層間付着特性の影響に関する研究
Project/Area Number |
10555155
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 紘一 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00283622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若原 直樹 コニシ, 大阪研究所, 副主席
杉浦 邦征 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70216307)
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Keywords | RC床版 / 炭素繊維シート / 付着 / 接着剤 / サンドイッチ構造 / 鋼板 |
Research Abstract |
本年度の研究は、コンクリートと炭素繊維シート(Carbon Fiber Sheet、以下CFS)からなる複合構造の力学的特性を把握し、この新しいタイプの複合構造を道路橋 鉄筋コンクリート床版(以下RC床版)の安全性と耐久性の向上を図る補強工法として広く適用するための基礎的研究であり、エポキシ樹脂によって接合されたRC床版とCFSの複合構造の静的曲げ試験および疲労試験の実験的成果をまとめるとともに、CFSとコンクリート間の付着特性に関し実験的および解析的な検討を行って、その結果に基づくRC床版とCFS複合構造の曲げ耐力算定方法を提案した。その結果、炭素繊維シートという新材料とコンクリートとの新しいタイプの複合構造の力学的挙動について実施した結果、CFSによるRC床版の補強は、道路橋の安全性と耐久性の向上に有効であると結論付けた。また、鋼材とエポキシ樹脂、高機能コンクリートなどを接着し、それで構成されるサンドイッチばりの曲げ載荷実験より、引張・圧縮下で等方的な強度を有するエポキシ樹脂により、中立軸の移動が少なく、強度および変形能に優れた曲げ変形挙動が得られることを明らかにしている。同様に、本実験方法により、付着強度の算定が可能であることを明らかにした。 これらをまとめて、CFSとコンクリート間の付着強度を用いた補強RC床版の曲げ耐力算定方法を提案した。ここでは、別途行った付着強度を用いて補強床版の曲げ耐力を理論的に算定し、これを静的試験結果と比較して提案した耐荷力算定方法の妥当性を示し、結果的に、CFS補強工法が道路橋RC床版の安全性と耐久性向上のために有効に適用できることを提言した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] W.O.Oyawa 他: "Experimatal and Analytical Modeling of Interface Interaction in Conposite Flexural Members"構造工学論文集 土木学会. 46A(印刷中). (2000)
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[Publications] K.Ono 他: "Flexural Fatigue strength of Reinforced Concrete Slab in Viaduct by Carbon Fiber Sheet"構造工学論文集 土木学会. 46A(印刷中). (2000)