1999 Fiscal Year Annual Research Report
大規模で複雑な構造体に対する超音波非破壊評価法の開発に関する研究
Project/Area Number |
10555156
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 壮一 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (00156712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和高 修三 三菱電機株式会社, 情報技術総合研究所, 参事(研究職)
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Keywords | シミュレーション / 境界要素法 / 波線理論 / SH波探触子 / 水浸超音波法 / Rayleigh積分 / 逆問題 |
Research Abstract |
超音波非破壊検査は超音波の送信,伝播,欠陥による散乱ならびに受信といったプロセスからなる.本研究はこれらのうち,主に送信および伝播,散乱に関するプロセス関する数理モデルの開発を行い,超音波非破壊評価の定量化を行うものである.平成11年度は平成10年度に引き続き,1.波線理論と境界要素法の結合解法による大規模構造体における超音波シミュレーションを実施したのに加え,2.厚板を用いた超音波探傷実験,ならびに,3.水浸探触子による入射波動場のシミュレーションと探触子の特性の同定を行った.1.においては,平成10年度において解決できなかった臨界角を越えて入射する面内波の波線理論を定式化し境界要素法と結合することにより,厚板における面内波動のシミュレーションを行った.2.においては,円孔を空けた鋼板の表面からSH波探触子によって面外SH波動を入力し,同じ探触子でSH超音波を受信するという一探触子法の実験を行った.1.で開発したシミュレーション結果と比較したところ,実験と解析は完全に一致するまでには至らなかったが,よい対応が得られた.また,深さの異なる円孔に対して実験を行った結果,周波数振幅の周期性が円孔の深さによって変化する特性を見出し,その性質を用いれば円孔の深さの推定が可能であることがわかった.3.においては,水浸探触子から放射される超音波を数値的にシミュレーションするとともに,水中の圧力波形から探触子振動面での振動モードを求める逆問題を定式化した.二探触子法による水浸超音波実験を行って得られた受信波形から探触子振動モードを求めた結果,探触子の縁ほど振動振幅が小さく,水浸探触子の振動面は一様には振動していないという結果を得た.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Hirose: "Reflection and scattering of a cylindrical wave in a half spade"Review of Progress in Quantitative Nondestructive Evaluation. 第18巻. 87-93 (1999)
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[Publications] K.Kumoto and S.Hirose: "Reflection and scattering analysis of SH wave using a combined method of BEM and ray theory"Review of Progress in Quantitative Nondestructive Evaluation. 第19巻. (2000)
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[Publications] S.Hirose,K.Kimoto and C.Miki: "Simulation for ultrasonic evaluation of a welding defect in a thick plate"Nondestructive testing in civil engineering,Balkema. (2000)
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[Publications] 大本和志,廣瀬壮一: "波線理論と境界要素法を用いたSH波の反射・散乱解析"土木学会第54回年次学術講演会講演概要集 第1部(A). 106-107 (1999)
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[Publications] 廣瀬壮一,身崎成紀: "水浸探触子の特性の同定に関する研究"土木学会第54回年次学術講演会講演概要集 第1部(A). 108-109 (1999)
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[Publications] 廣瀬壮一,身崎成紀: "水浸探触子の特性の同定について"第7回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集. 139-144 (2000)