1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555164
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾 稔 名古屋大学長 (40025937)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 英司 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00293647)
フェルナンド G.S.K 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80283422)
野田 利弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80262872)
中野 正樹 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00252263)
浅岡 顕 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50093175)
|
Keywords | 水〜土連成解析 / 有限変形理論 / 下負荷面カムクレイモデル / 砂地盤 / 締固め / 載荷速度効果 |
Research Abstract |
ゆるい砂質地盤だけでなく比較的締まった砂質地盤の近年の液状化対策として、「振動」を用いるサンドコンパクションパイル(SCP)工法とともに、「静的」な砂杭拡径によって砂質地盤を締め固める工法が用いられつつある。これは、砂質地盤に振動を使わずにケーシングを鉛直挿入後、ケーシングを抜きながら、地盤下部から砂をゆっくり静かに押し込んで地盤を締め固める工法であるが、驚くほどゆるくはない砂がなぜ締まるかといった締固めのメカニズムや、その効果の程度について未解明な点が多い。そこで、比較的締まった砂を過圧密土と捉え、下負荷面カムクレイモデルを用いた水〜土連成計算により、砂杭拡径による典型的な砂質地盤での締固めメカニズムを解明するとともに、初期地盤状態・施工速度等の載荷履歴・改良率の効果のちがいに伴う締め固め特性を調べることが、本研究の重要な目的の一つであった。以下に、明らかになった主な事項を示す。(1)杭周辺砂質地盤の応力経路が限界状態線より下側で圧縮硬化し、それに伴い地盤は締まりながら固くなること。(2)拡径速度〜地盤の間隙比変化関係に「S字曲線」が存在し、それが砂杭間隔・置換率・地盤の透水性などに応じて変化すること。(3)通常、実務で用いられる施工速度は、締め固めに有効な速度であること。(4)砂・粘土または粘土・砂の上下互層地盤においても、地盤の静的な締め固めは有効であること。また、上記のような地盤改良による液状化抑止・低減工法ではなく、べた基礎あるは摩擦杭付きラフト基礎などの設置により、上部構造の沈下抑制と地盤の液状化抑止を同時に期待する工法について、水〜土連成計算によるそのメカニズム・定量的把握のための部材力算定法など、整備を完了した。
|