1999 Fiscal Year Annual Research Report
界面活性剤による不均一地盤中のNAPLの流動化による除去技術
Project/Area Number |
10555171
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 康 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10293648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BETTAHAR Mehdi 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 非常勤研究員
松林 宇一郎 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (80126903)
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Keywords | 土壌汚染 / NAPL / 界面活性剤 / 最適塩濃度 / アルコール濃度 / ミドル相マイクロエマルジョン / 最小界面張力 / 水―油比 |
Research Abstract |
地盤中に難水溶性の液体(NAPL)が浸透し、小さな液滴の状態で土壌間隙に残留すると除去が極めて困難になる。本研究では、こうした状態のNAPLに界面活性剤を含んだ水を接触させることにより界面張力を弱め、ミセルの状態で水溶液中に分散させ除去、もしくは、原液状態のNAPLを流動化させて除去する技術の構築を目指している。 本年度は、NAPLとして軽油成分の一つであるドデカン(C_<12>H_<26>)を選び、平成10年度の研究成果から軽油のマイクロエマルジョン化に有効であるとわかっているSDBS(ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム)を流動化剤として用いて、数値解析や実地盤への適用に際して必須であると考えられる界面張力の最小値を与える塩濃度(最適塩濃度)と油の炭素数、アルコール濃度、界面活性剤の種類、温度との間の関係を定式化した。また、そこで得られた関係を適用して、ガラスビーズを浸透層としたカラム試験を行い、ドデカン汚染場へのSDBS溶液の流動化・可溶化能力について実証した。得られた結果は以下の通りである。 ・最適塩濃度とアルコール濃度、油の炭素数、界面活性剤の種類、温度との関係を調べ、定式化することに成功した。 ・従来考慮されず、界面活性剤適用に際して対応できなかった系内の水―油比の変化に関して、水―油比係数がアルコール濃度の関数であり、アルコール濃度の増大に伴って増大することを導き、水―油比の変化に応じた界面活性剤溶液内の最適アルコール濃度を与えた。 ・ガラスビーズを用いたカラム試験により、残留飽和状態のドデカン(間隙総体積の約14%)のうち、およそ90%を流動化除去することに成功した。さらに、油の除去に伴って減少する水―油比の変化を考慮し、投入する界面活性剤溶液の塩濃度を再調整することにより、95%までのドデカン除去率を達成した。
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[Publications] Truong Hong Tien: "Effect of alcohol and oil type on minimum interfacial tensions and phase behavior of the brine/surfactant/alcohol/oil systems"J. Environ Syst. and Eng., JSCE. No.643/VII-14. 81-93 (2000)
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[Publications] 井上 康: "大型浸透層を用いた縦分散特性のスケール依存性に関する実験的検討"水工学論文集. 第44巻. 199-204 (2000)