2000 Fiscal Year Annual Research Report
多方向不規則波造波装置を用いた実海域再現性に関する研究
Project/Area Number |
10555173
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高山 知司 京都大学, 防災研究所, 教授 (60273520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 慎司 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90170753)
平石 哲也 国土交通省, 港湾技術研究所, 波浪研究室長
間瀬 肇 京都大学, 防災研究所, 助教授 (30127138)
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Keywords | 多方向不規則波 / 暴風時波浪 / 非定常造波 / 方向スペクトル / サーペント型造波装置 |
Research Abstract |
多方向不規則波造波装置を用いて,暴風時波浪特性の時間変化を実験水槽内に再現するソフトを開発することを目的として,わが国周辺海域における波浪の方向スペクトル特性を調べ,暴風時における波浪の変化特性を明らかにした.そして,このような変化特性を示す波浪を実験室内に再現するプログラムの開発を行った. 波浪の方向スペクトル特性としては,御前崎および御坊沖で海象計によって観測された1年間にわたる波浪データを用いて,8時間および1時間毎に方向スペクトルを計算し,多峯型方向スペクトル波の出現特性等を明らかにするとともに,このような統計的な特性をもつ方向スペクトル波を再現する手法について検討を行った. 暴風時における波浪特性の時間変化を実験室内に再現する手法について検討した.まず,波向の変化しない一方向不規則波に関して有義波高や周期が時間的に変化する状態を造波機で再現する造波信号作成プログラムをまず開発した.不規則波浪の時間変化は,不規則波を構成している成分波の振幅のみが時間的に変化するとして表現することにした.そこで,有義波の波高や周期が時間的に変化することによって波浪のスペクトル形が変化するとして,スペクトルの変化から成分波の振幅を設定した.このようにして設定した数多くの成分波を同時に造波することによって非定常な不規則波を実験室内に再現した.このような方法の妥当性については,水路実験を行って検証している.造波する成分波の波速は周期によって異なるために,造波板からの距離に対応して遅い波は早く発生する必要があり,このような補正を施す必要があることがわかった. 非定常な多方向不規則波を造波させるための造波信号の作成法についても検討した.非定常な一方向不規則波の場合と同様に,多方向不規則波を構成している斜め成分波の振幅のみを時間的に変化させることによって波高や周期,波向きの時間変化を表すことにした.多方向不規則波の場合,波向きも時間的に変化するので,非常に多くの成分波を用いなければならないために,造波信号の作成に非常に多くの時間を要する.そこで,成分波の数を減らすために,ある周波数の幅の中に含まれる成分波については,方向関数の形状に対応して設定することにした.この多方向不規則波の造波についてはこの妥当性を検証する適切な造波装置がなかったために,造波装置作成理論の開発で終わった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高山知司: "御前崎沖波浪観測における多峯型方向スペクトル波の出現特性"海洋開発論文集. Vol.16. 93-98 (2000)
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[Publications] 平山克也: "時間的に変化する波浪の造波とその解析"海岸工学論文集. 第47巻. 6-10 (2000)
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[Publications] 高山知司: "御前崎沖における多峯型方向スペクトル波の出現特性"海岸工学論文集. 第47巻. 76-80 (2000)