1999 Fiscal Year Annual Research Report
自由表面を有する移動境界問題の実用的な数値計算手法の開発
Project/Area Number |
10555178
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山田 文彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60264280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 清 熊本大学, 工学部, 教授 (80040450)
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Keywords | 自由表面 / 質量保存性 / Boundary-Fitted Coordinate(BFC)法 / 境界適合座標 / 表面張力 / 数値格子生成法 / 界面勾配 / 圧力振動 |
Research Abstract |
砕波変形過程の数値解析にあたり、複雑な自由表面形状や海底形状に対応した解析を行うために、境界適合座標系と数値格子生成法を組み合わせたBFC法を開発した。自由表面での境界条件の簡便性を考慮し、変数配置にはレギュラー格子を採用し、一様斜面上での巻き波砕波の計算を行った。計算より、波形の切り立ちから巻き込みが形成されるまでの変形過程を再現し、レーザー流速形や画像解析との比較より流速の計算精度を定量的に確認した。しかしながら、変形が進行するにしたがって、圧力振動が顕著になることを示し、この原因が変数配置や計算格子の歪の増大などにあることを指摘した。そこで、レギュラー格子で問題となる圧力振動を押さえ、計算の安定化をはかるために、スタガード格子を用いた離散化手法や自由表面条件に表面張力を考慮する手法などを提案した。矩形容器内でのスロッシング現象などの適用計算の結果、圧力振動は生じず、水面変動の計算結果は解析解と比較しても定量的に十分な精度を有するとともに、質量保存性にも優れていることを確認した。さらに、一様斜面上での巻き波砕波の解析を行い、波峰下の水平方向流速の経時変化より、自由表面近傍の内部流速が波速を超えて砕波が生じ、巻き込みが形成されることを数値的に明らかにした。しかしながら、巻き込みが発達してくると、波面前面での計算格子の歪が顕著となり、座標変換が困難となり計算が発散することを示し、本計算手法の適用範囲は巻き込みの初期形成段階までであることを明らかにした。
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[Publications] F. Yamada & K. Takikawa: "Improving the accuracy of free-surface recognition and conservation of mass for VOF method"Proc. of the 9^<th> International Offshore and polar engineering conference. III. 643-650 (1999)
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[Publications] 山田文彦、滝川 清: "境界適合座標法を用いた自由表面流れおよび波変形過程の解析"応用力学論文集. 2. 191-2000 (1999)
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[Publications] F. Yamada & K. Takikawa: "Numerical models with Reymolds equation based energy dissipation for plunging breaker on a uniform slope"Coastal Engineering Journal. 印刷中.