Research Abstract |
マイクロバブル発生技術を利用して,閉鎖水域における水質浄化実験およびそれに伴う水環境蘇生効果についての研究を行い,以下に示す結果を得た. 1) 岡山県Aダムにおいて,表層の植物性プランクトン(アオコ)の発生制御・除去を目的とする実験を行った.その結果,(1)W型装置によって,鉛直方向および縦断方向の表層水温制御を実現,(2)W型装置の上下流方向における自動長距離稼動によって広範囲の浄化を可能とし,アオコの発生制御と下流への流下を遮断する効果を確認,(3)M型装置では,マイクロバブルが数十メートルを超える範囲で拡散し,その範囲で,有機物の浮上と溶存酸素が向上することを確認した.しかし,多降雨のために,本年度は例年と比較して,かなり少量のアオコの発生しか得られず,本格的な浮上・除去実験を行うまでには至らなかった. 2) 山口県H川にマイクロバブル発生装置を設置し,水生生物育成効果および水環境変化について研究した.その結果,(1)河川底部に堆積した藻類が一斉に浮上する,(2)ウグイ・オイカワを主とする川魚が大量に増加した,(3)装置設定区間において,鮎が35匹確認されたなどの成果が確認された. 3) その他,ゴルフ場池の浄化,住宅池での蛍やヤマメの育成,鰻,イカ,鯉などの魚類育成,ほうれん草などの水耕栽培においても,本装置の利用による重要な成果が得られている. 4) これらの成果を踏まえ,マイクロバブル発生装置の改良を行い,よりすぐれた水活性機能を確認した.
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