1999 Fiscal Year Annual Research Report
CCDを用いた夜間における道路施設の視認性評価システムの開発
Project/Area Number |
10555182
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
萩原 亨 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60172839)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成定 康平 中京大学, 文学部・心理学科, 教授 (30237599)
|
Keywords | 視認性 / デジタルスチルカメラ / 画像処理 / コントラスト / CCD |
Research Abstract |
今年度は、運転者や歩行者から見たときの視認性をデジタルカメラで撮影したデジタル画像上に表す手法に取り組んだ。視認性に与える要因として環境要因と属性要因を考え、それらの要因としての妥当性について検討した。環境要因として、順応輝度・コントラスト・視角とした。一方、属性要因としてコントラスト感度を用いた。視機能の優劣として最も一般的に用いられているのは視力である。しかし、視力は濃淡が明確な高コントラストの指標を使っており、低コントラストの指標に対する評価となっていない。そこで、コントラストに関する視機能としてコントラスト感度を用いた。 影響要因の妥当性を実証するため2種類の実験を行った。一つ目は、反射率の異なる紙を貼りつけた板を用いた実験であり、画像としては単純な視覚対象物となっていた。二つ目は、白・黒・灰の車両の認知発見に関する実験である。車両のコントラストの大小は、車両の部位によって複雑なものとなっておりどの部分のコントラストを認知発見に使うかによる影響が大きい複雑な視覚対象物となっていた。単純な視覚対象物に関する視認性実験では、視認性評価における影響要因の中からコントラスト・視角・コントラスト感度の要因を取り上げた。それらの要因を説明変数とすることから板の発見認知を高い確率にて判別できる結果を得た。一方、複雑な視覚対象物に関する視認性実験では、視認性評価における影響要因の中からコントラスト感度と、コントラストの代わりに順応輝度とダミー変数として車の色を取り上げた。それらの要因を説明変数とし車両の発見認知を被説明変数とし重回帰分析を実施したところ、高い重相関係数となった。また、各々の要因のt値は高く意味のある説明変数であると言えた。 2つの実験の結果から、影響要因として対象物のコントラスト・視角・順応輝度と説明変数とし、属性変数としてコントラスト感度を考えることから対象物の発見認知を推定可能と言えた。今後、影響要因をデジタルカメラの画像上に表現する手法について検討を進めていきたい。
|
-
[Publications] 岡村 他: "デジタル画像からの明るさの情報を用いた視認環境評価に関する研究"日本環境共生学会. 1999年号. 115-118 (1999)
-
[Publications] 萩原 他: "デジタル画像データの持つ明るさ情報を用いた視認性評価に関する研究"交通工学研究発表会論文報告集. 19. 115-118 (1999)
-
[Publications] 佐々木 他: "デジタルスチルカメラによる視認性評価に関する研究"(社)土木学会北海道支部・論文報告集. 56. 362-365 (2000)