2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555188
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花木 啓祐 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒巻 俊也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (90282673)
小宮 英孝 大林組, 技術研究所, 主任研究員
浦野 明 大成建設, 技術開発第一部, 研究員
一ノ瀬 俊明 国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (30231145)
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Keywords | ヒートアイランド / 熱環境 / 環境共生都市 / 人工排熱 / エネルギー |
Research Abstract |
地理情報システムを元データとして、これに建物の空調モデルを組み合わせることによって都市の各建物におけるエネルギー消費と人工排熱の排出の面的な分布を求め、それらを都市気候モデルの入力条件として用いるという流れを基本として、これらの解析システムの開発を行うと共に、単に手法の開発だけではなく、東京を例として仮想的な計算を行い、さまざまな施策のもたらす効果を評価した。今年度の具体的な成果を箇条書きにすると、以下のようである。 主たる建物用途および規模別に、既存の実態調査によって示されているもっとも一般的な空調システムを仮定し、建物空調モデル(DOE-2)を適用した。このモデルはエネルギー消費量を与えるものであるが、本研究では熱環境に与えるインパクトを評価するために人工排熱の値を計算結果から抽出する手法を確立した。 これらの解析を組み合わせることによって人工排熱の、面的な分布のみならず、建物の高さ方向の分布、更に時間変動を東京全域に対して求めた。 この人工排熱と関東・甲信越を含む広域の土地利用のGISデータをメソスケールの都市気候モデルに入力して、夏期の東京の気候をシミュレーションした。ついで、空調システムの変更、建物からの熱の排出高さの変更などの対策をとった場合の効果をシミュレーションにより評価した。 さらに、都市において利用可能な下水処理水を空調の冷却水に用いることによって大気への顕熱の排出を削減する対策について、東京内でこのような対策が導入可能な地域と面積を下水処理水量と建物情報から推定した。その結果、冷却水としての直接利用と冷却塔への補給水として下水処理水を用いることが有効であることが示された。
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[Publications] 一ノ瀬俊明: "ドイツの環境共生型再開発プロジェクト-Stuttgart21-"土木学会誌. 85・7. 56-59 (2000)
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[Publications] 赤川宏幸,小宮英孝: "表面を連続的に湿潤できる舗装体に関する実験的研究"日本建築学会計画系論文集. 530. 79-85 (2000)