1998 Fiscal Year Annual Research Report
プローブ誘起相転移を利用した超高密度記憶に関する研究
Project/Area Number |
10555216
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 哲也 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (10189532)
|
Keywords | プローブ誘起相転移 / 金属-絶縁体転移 / 走査トンネル顕微鏡 / 層状物質 / 遷移金属カルコゲナイト |
Research Abstract |
本研究では、申請者が見い出した新現象-プローブ誘起相転移-を利用して、新しい原理に基づくnmスケールの超高密度記憶を実現することを目的としている。すなわち、微小プローブを用いて金属材料中に局所絶縁体領域を「書き込む」、あるいは逆に同プローブにより情報を「読み込む」ための材料探索・微細組織化を進めるとともに、再現性良く「読み書き」を行うための条件(温度、バイアス電圧、トンネル電流など)を確立を目指した。 遷移金属カルコゲナイトを中心に物質探索を行なった結果、TaS_2及びその置換系でプローブ誘起相転移現象を発見した。すなわち、SサイトをSeで15%置換した系において、網目状のナノドメイン構造の導入に成功し、金属-絶縁体相転移温度(180K)の直上において、各網目を単位として金属-絶縁体転移を誘起できることを見いだした。また、TaS_2においても、組成比を制御を制御することにより、同様の構造を作り出すことに成功した。Se置換系の場合、プローブ誘起相転移を起こす温度範囲が限られているが、TaS_2試料は、バルクとしては相転移を示さず、液体窒素温度においても、プローブ誘起相転移を確認した。 上記相転移は1次相転移であり、ヒステリシスが大きい程書き込み結果は安定に保持されると考えられる。今後は、Nbによる陽イオン置換を中心に物質探索を進めるとともに、プブローブ誘起相転移の機構解明を目指す。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] O.Shiino,T.Hasegawa et al.: "Enhencement of Friedel Oscillation in the Insulationg Phase of IT-TaS_2" Appl.Phys.A. 66. 175-179 (1998)
-
[Publications] T.Hasegawa et al.: "Electronic Phase Separation in the layered Material IT-TaS_xSe_<2-x>" Acta Phys.Pol.A. 93. 297-305 (1998)
-
[Publications] S.Matsuura,T.Hasegawa et al.: "Reproducible Observation of Supircomlucting Gap on the Clean Surfeces of BiSrCnCO" Physica C. 300. 26-32 (1998)
-
[Publications] F.Komori,T.Hasegawa et al.: "Tunneling Spectroscopy around the Boundary of a Small Impurity Phase" Appl.Phys.A. 66. 135-138 (1998)
-
[Publications] W.Yamaguchi,T.Hasegawa et al.: "Enhancement of Subsurface Inpurity Image Observed by STM" Surf.Sci.(印刷中). (1999)
-
[Publications] 長谷川 哲也: "走査プローブ顕微鏡 STMからSPMへ(分担)" 丸善, 237 (1998)