1998 Fiscal Year Annual Research Report
有機-無機ハイブリッド界面の構築によるセラミックス粉体の改質
Project/Area Number |
10555219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
江頭 誠 長崎大学, 工学部, 教授 (60037934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣津留 秀樹 電気化学工業(株), 総合研究所, 専任研究員
兵頭 健生 長崎大学, 工学部, 助手 (70295096)
清水 康博 長崎大学, 工学部, 助教授 (20150518)
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Keywords | 窒化アルミニウム / 窒化ケイ素 / 有機-無機ハイブリッド界面 / セバシン酸 / 熱伝導率 / SnO_2センサ |
Research Abstract |
窒化アルミニウム(AIN)焼結体の熱伝導特性を改良するために、まず、AIN粉末表面をセバシン酸(ジカルボン酸)で表面修飾することで有機-無機ハイブリッド界面を構築した。得られた粉末の水溶液中での耐久試験(pH測定)により高い耐水性が確認できたことから、水系スリップキャストによる成型が可能なことがわかった。さらに、この粉末を酢酸イットリウム水溶液中に分散させ、焼結助剤Y^<3+>と表面修飾しているセバシン酸の未反応末端カルボキシル基の水素イオンとをイオン交換することによりAIN粉末表面にY^<3+>をナノ分散添加した。この粉末を1900℃で5時間焼結させた結果、かなり緻密なAIN焼結体が作製でき、その熱伝導率もかなり高い値となった。 一方、窒化ケイ素(Si_3N_4)粉末にも同様に、セバシン酸の表面修飾による有機-無機ハイブリッド界面を構築したのちY^<3+>イオン交換処理を行うことでY^<3+>ナノ分散Si_3N_4粉末を作製した。これらをホットプレス法により1750℃,50MPaで90分間焼結したところ、かなり緻密な焼結体が作製できた。この焼結体の曲げ強度は約600MPa、アルキメデス法により測定した相対密度は98.8%であった。イオン交換せずに酸化イットリウム焼結助剤を直接添加したものは相対密度が約91%であることから、有機-無機ハイブリッド界面構築後の焼結助剤ナノ分散添加の有効性が確認できた。 さらに、アルコキシシランゾルを用いて酸化スズ(SnO_2)焼結体にディップコーティングすることによりSiO_2-SnO_2界面を構築したセンサや、直接アルコキシシランで浸漬処理したSnO_2粉末を焼結したセンサは、未処理SnO_2センサに比べ、水素に対しては感度が増加しメタンやプロパンに対しては感度が低下した。このように、ハイブリッド界面の構築により感度や選択性などの特性が大きくかわることがわかった。
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[Publications] 和田憲治,江頭 誠: "ジエトキシジメチルシランゾル溶液で浸漬処理したPd/SnO_2センサーのガス検出特性" Journal of the Ceramic Society of Japan. 106巻・6号. 621-626 (1998)
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[Publications] K.Wada,M.Egashira: "Improvement of Gas-Sensing Properties of SnO_2 by Surface Chemical Modification with Diethoxydimethylsilane" Sensors and Actuators B. (印刷中). (1999)