1998 Fiscal Year Annual Research Report
電磁鋳造法によるアルミニウム合金薄板スラブの製造およびその応用技術の開発
Project/Area Number |
10555228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
鎌土 重晴 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30152846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 陽 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60016368)
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Keywords | 展伸用アルミニウム合金 / 電磁鋳造法 / 薄板スラブ / 表面性状 / デンドライトアームスペーシング / 金属間化合物 / 冷間圧延加工性 / 機械的性質 |
Research Abstract |
本研究では、冷間圧延時のエッチ割れの減少を目的として、板厚約5mmの薄板スラブの製造を試みた。また、薄板スラブ製造初期段階のメニスカス形状に着目し、電磁場に及ぼすボトムブロックの影響について検討した。次にスラブ外観と製造条件の関係について、冷却水量、鋳造速度およびスパウト形状の項目に分けて調べた。さらに、それらの製造条件がマクロ組織、ミクロ組織およびデンドライトアームスペーシングに及ぼす影響についても検討した。最終的に試料組成5052合金に配合し、表面が平滑になる製造条件で薄板スラブを製造した。得られた5052合金薄板スラブを直接冷間圧延し、その外観、圧延組織、かたさ分布および引張特性について評価し、DC鋳造品と比較した。得られた結果を要約すると以下のようになる。 1. 鋳造初期において、メニスカスの厚さは、ボトムブロックの厚さと等しく形成される。そのため、電磁圧と溶湯静水圧はエッヂ部で平衡し、製造される薄板スラブの板厚はボトムブロックの厚さにほぼ等しくなる。また、鋳造速度の増加により薄板スラブ中心が盛上がる。そのため、スパウトのカバーに段を設けた。それにより鋳造速度960mm/min、冷却水量20l/minの条件で製造した薄板スラブは、板厚7mmで厚さはほぼ均一になる。 2. 製造した薄板スラブのマクロ組織はすべて等軸晶になる。ミクロ組織は微細かつ均一なデンドライト組織になるが、溶湯流動の影響により若干の浮遊晶が生成される。DASは約10μmと非常に微細となる。 3. 5052合金薄板スラブを総圧下率75%まで冷間圧延を行った場合、表面欠陥およびエッジ割れは認められない。H38処理材の引張特性はJIS規格を満足し、Fe量が多いため、微細な化合物が多くなり、その微細分散効果によりDC鋳塊を熱間圧延後、冷間圧延した板材の引張強さおよび0.2%耐力より大きくなる。なお、O処理材の0.2%耐力および伸びはJIS規格を満足するが、再結晶粒の微細化により引張強さは規格上限値を上回るようになる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 椛山陽一: "電磁鋳造法により製造したアルミニウム合金薄板スラブの組織および引張特性" 第95回軽金属学会秋期大会講演概要集. 293-294 (1998)
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[Publications] Shigeharu Kamado: "Fabrication of 5052 Aluminum Alloy Thin Slab by Electromagnetic Casting and Mechanical Properties of Its Cold-Rolled Sheet" The Third International Conference on Solidification and Graviby. 発表予定. (1999)