1999 Fiscal Year Annual Research Report
電磁鋳造法によるアルミニウム合金薄板スラブの製造およびその応用技術の開発
Project/Area Number |
10555228
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
鎌土 重晴 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30152846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 陽 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60016368)
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Keywords | 展伸用アルミニウム合金 / 電磁鋳造法 / 薄板スラブ / 表面性状 / デンドライトアーム間隔 / 引張特性 / 金属間化合物 / 結晶粒径 |
Research Abstract |
電磁鋳造法(EMC)を用いて製造した厚さ約6mmの薄板スラブは、総圧下率75%まで直接冷間圧延可能なことから、この製造プロセスを用いて大量生産することにより、面削工程と熱間圧延工程を省略でき、大幅なコスト低減を図ることが可能になる。しかし、5052アルミニウム合金の組成に配合した薄板スラブを直接冷間圧延した場合、O処理の引張強さはJIS規格値の上限を上回る。これは、O処理材のように焼なましを施しても充分な軟化が得られず、その後の成形が困難になることを示唆している。そこで本研究では、晶出物の影響を明確にするとともに、5052アルミニウム合金の引張特性のJIS規格値を満足する組成を探索することを目的として、0.34%Feおよび2.68%Mgを含む合金をベース合金とし、Fe量をJIS規格値の上限およびそれ以上の組成とし、さらにMg量をJIS規格値の下限およびそれ以下の組成に変化させ、それらの合金の組織および圧延材の機械的性質に及ぼすFe量およびMg量の影響を組織的観点から検討した。その結果、EMC法は2次冷却のみで凝固し、さらに製造した薄板スラブは板厚が薄いため、冷却効果が大きく、組織は微細なデンドライト組織となる。Fe添加量の増加および冷却速度の増大に伴い、晶出する化合物は増えるとともに、微細かつ均一に分散するようになり、それらが分散強化と焼なまし時の再結晶粒の微細化の役割を果たし、圧延後、O処理およびH38処理した試料の引張特性は向上する。Mg量の減少により、O処理材およびH38処理材の引張強さおよび0.2%耐力は低下する。しかしながら、Feを多く含む5052アルミニウム合金でも、Mg量を2.05%とJIS規格の組成以下にし、直接冷間圧延後、O処理およびH38処理することにより、その引張特性は5052アルミニウム合金のJIS規格値を充分満足するようになる。
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Research Products
(1 results)