1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80250984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 功 旭化成工業(株), 製品技術研究所, 室長
木下 秀雄 旭化成工業(株), 樹脂開発技術センター, 副参事
大塩 茂夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (90160473)
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Keywords | CVD / シナジー / チタニア / シリカ / アクリル / ポリカーボネート / 樹脂 / 酸化物 |
Research Abstract |
大気開放型化学気相析出(CVD)法により酸化物膜を樹脂基材に析出させた。研究目的は酸化物と樹脂の双方の特徴を互いに共生(シナジー)させながら、高度に特性が制御された材料を創出することである。初年度は密着性のよい接合の得られる酸化物膜と樹脂基材の組み合わせを調査した。 本年度で選択された2つの酸化物はチタニアとシリカである。大気開放型CVD装置を用いて、チタニアはチタン酸イソプロピルから、シリカはシリカエトキシドから成長させた。また樹脂基材にはアクリル(PMMA)とポリカーボネート(PC)シート(2mm厚)およびフィルム(100μm厚)を準備した。チタニアとシリカともシートおよびフィルム上で1μm程度の膜厚を有する膜を形成した。原料の加水分解には気相中での加熱が必要になる。チタン酸イソプロピルは200-300℃、シリカエトキシドは300-400゚Cでノズルから大気に開放されなければならない。開放された原料は空気中で加水分解および冷却されながら水酸化物を形成すると考えられる。それらが80-100℃に加熱された樹脂基材上で一部脱水をおこしながら、膜を形成する。膜の堆積速度はおおよそ10.50nm/sと比較的高速である。 作製条件によるPCとチタニア膜の密着性マッピングまで終了した。チタニア膜は基板温度80℃以上で比較的高速に堆積する。ノズルからの開放温度が300℃未満であると密着性のよい平坦な膜が堆積するのに対し、300℃以上では粉様の機械的に軟質な膜が堆積する。気相での加水分解あるいは脱水の程度が堆積膜の質を決定するようである。次年度は膜質や密着性を決定する要因を調査する。
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