2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555229
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Research Institution | NAGAOKAUNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
齋藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80250984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 功 旭化成工業(株), 製品技術研究所, 室長
木下 秀雄 旭化成工業(株), 化成品開発技術センター, 副参事
大塩 茂夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (90160473)
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Keywords | CVD / シナジー / チタニア / アニール / IR / 水酸化チタン / 酸化物膜 / 樹脂 |
Research Abstract |
大気開放型化学気相析出(CVD)法で作製される水酸化物膜は、ゾル-ゲル法の乾燥ゲル体とアルキル基の有無による違いはあるものの構造が類似していると考えられる。本研究では、適当な基材上に比較的低温で水酸化物膜を形成し、低温ポストアニールで結晶性クラックフリー酸化物膜を得るための結晶化挙動を、示差熱天秤を用いて熱的に検討した。大気開放型CVD法を用いてアモルファス水酸化チタン膜を基板加熱温度120℃から360℃の条件で原料気体温度300℃以下で得た。この試料に対して、500℃までのアニールを行なうと基板温度200℃のとき374℃で、基板温度240℃のとき398℃で、基板温度280℃のとき413℃で、結晶化に伴う発熱ピークを得た。この温度を越してアニールされると、アモルファス水酸化チタン膜はアナターゼ結晶膜となる。基板温度の低い条件(基板温度200℃)で作製されたアモルファス膜では、構造的に結晶から遠いものと思われる。すなわち自由体積が大きく、アニールによる結晶化挙動が比較的低温で起こりやすいといえる。一方、基板温度の高い条件(基板温度280℃)で作製されたアモルファス膜では、構造的に結晶に近いものと思われる。すなわち自由体積が小さく、アニールによる結晶化挙動が比較的低温で起こりにくいといえる。クラックを起こさずに結晶化するには、基板温度の低い条件がよかったため、クラックフリーの結晶化を得るためには、自由体積の大きいアモルファスが有利であることがわかった。
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