1999 Fiscal Year Annual Research Report
超高温タービン翼材料用NbSi_< 2> 基方向制御複相シリサイドの開発
Project/Area Number |
10555232
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬越 佑吉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00029216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 弘行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60294021)
中野 貴由 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30243182)
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Keywords | 強度 / シリサイド / 耐熱材料 / 転位 / 破壊 / 合金設計 |
Research Abstract |
NbSi_2は1500℃近傍で異常強化現象を示すため、超高温耐熱材料としての可能性を秘めている。しかし、活動すべり系が限定されているため、多結晶の変形能は期待できない。また、クリープ特性にも問題がある。この欠点を克服するため、MoSi_2との複相合金とし、高温強度、変形能を改善し、新たな超高温耐熱材料の開発を図った。得られた主要な研究成果は次の通りである。 (1)NbSi_2-MoSi_2擬二元系合金において、(Mo_<0.90>Nb_<0.10> )Si_2合金はC40型構造を有するNbSi_2を母相とし、結晶限界にC11_b 型構造のMoSi_2が析出した組織を形成した。一方、(Mo_<0.85>Nb_<0.15>)Si_2はC40およびC11_b型結晶粒を有するが大部分はMoSi_2とNbSi_2の複相からなる層状組織を形成した。 (2)層状組織は、冷却の際の包晶反応によって形成された。この際、C40およびC11_b相は(0001)_<C40>//(110)_<C11_b>、[112^^-0]_<C40>//[111]_<C11_b>なる結晶方位関係を満足し、界面での格子不整合は3%以下であった。 (3)層界面は転位運動の障害物として働き、高強度化をもたらす。特に層状組織を有する(Mo_<0.85> Nb_<0.15> )Si_2合金は1600℃近傍において180MPaとMoSi_< 2>に比べ2倍以上の高強度を示した。 (4)擬二元系の層状組織はNbSi_2の(0001)面とMoSi_2の(110)面が重なる形で形成され、極めて良好な格子整合性を有するため、高温で優れた熱安定性を示し高強度を維持する。 (5)帯溶融法による種々の結晶成長速度を選択することにより、層状組織の層間隔を変化させることが可能である。層状組織の微細化は強度上昇をもたらすのみならず、破壊靱性の改善に極めて有効であった。 (6)NiSi_2にMoを添加すると底面すべり以外のすべり系が活性化され、変形能改善をもたらす。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 馬越佑吉: "金属間化合物-宇宙・航空機材料の開発を目指して-"科学と技術の礎. 49-58 (1999)
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[Publications] Y. Umakoshi,T. Nakano,K. Kishimoto,D. Furuta and K. Hagihara: "Strength and deformation mechanism of C40- based single crystal and polycrystalline silicides"Materials Science and Engineering A. 261. 113-121 (1999)
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[Publications] 赤城耕太郎、谷澤恒幸、石原知、古城紀雄、馬越佑吉、堀蔵徳: "アルミナジルコニア二相セラッミックスの超塑性変形機構"日本金属学会誌. 63[7]. 888-894 (1999)