1999 Fiscal Year Annual Research Report
CCDイメージセンサを用いるダイナミックイメージング分光エリプソメータの試作
Project/Area Number |
10555238
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 克久 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤尾 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80222503)
原 信義 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40111257)
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Keywords | イメージング / 分光エリプソメータ / CCDセンサ / 膜厚 / 光学定数 / 空間分布 |
Research Abstract |
本研究の目的は,2次元のCCDイメージセンサと波長可変光源を組み合わせることで,高速顕微エリプソメトリー測定が可能なダイナミックイメージング分光エリプソメータ(DISE)を開発し,これを用いてステンレス鋼および炭素鋼の孔食発生過程における表面不働態皮膜の厚さと分光学的性質の場所的ミクロ変化を解析することである。本年度は装置の改良とステンレス鋼の孔食発生過程解析への応用研究を行い,以下の成果を得た。 1.ダイナミックメージング分光エリプソメータ装置の改良:試料面の広い範囲に渡る測定を可能にするために,CCDカメラをパルスステージによって走査できるように改良した。また,固定アナライザの最適方位角は試料や波長によって異なるため,アナライザを回転パルスステージによって駆動し,最適方位角に設定できるように改良した。改良した装置の最小測定所要時間は一波長当たり約5秒であり,空間分解能は25μmであった。また,測定精度は通常のエリプソメータと同程度であることを確認した。 2.18-8ステンレス鋼の孔食発生過程における不働態皮膜の場所的ミクロ変動の解析:0.1M-NaCl溶液中における18-8ステンレス鋼の孔食誘導期間中における不働態皮膜の変質過程を解析した。CVD法で作製したFe_2O_3-Cr_2O_3薄膜を用いるモデル実験によって得られた皮膜溶解過程のスペクトル変化を参照しながら解析を行った結果,光学定数よりも膜厚の場所的ミクロ変化の方が大きいことが分かった。また,孔食は膜厚の場所的変化の大きい箇所に発生しやすい傾向が認められた。
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