1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555244
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
恩澤 忠男 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 邦夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70226827)
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Keywords | 凝着 / 原子間力顕微鏡 / 超高真空 / 分子動力学 / 結合状態 / 界面 / 電子分光 / 表面分析 |
Research Abstract |
我々は,超高真空容器内で固体表面をイオンスパッターし,表面から十数原子層の元素分析および価電子状態分析で吸着元素の影響の無いことを確認した後,固体間に働く力を計測してきた.その結果,ほとんどの材料が,無加熱・無加圧で接合できる実験的事実を示してきた.また,そのためのクライテリオンを物性値と表面荒さの関数として表せることを示してきた.そこで本研究では,それらの成果を利用して,平方ミリメータオーダーの試料に対する無加熱・無加圧接合システムを完成させることを目指した研究をおこなった.具体的には,分担者高橋が中心となり,超高真空の表面分析装置内における固体間凝着力計測システムを改造した.改造点は2点ある. 1点は力計測システムの高剛性化である.高剛性化の効用を主張するTakahashi-Pollock-Burnham-Onzawa理論に従った.現時点までの検討で,半導体トランスキューサー方式でこの目標値を達成できることを示し高剛性のシステムを試作した.超高真空中での動作を確認した. もう1点は,超高真空対応局所加熱システムを設計である.まず,大気中での動作を確認し,次に排気速度の大きい超高真空システムで動作を確認した.脱ガス量等を確認したうえで,最終的に上記,表面分析装置内における任意固体間の凝着力計測システムに組み込んだ.この加熱システムで加熱することにより,吸着元素のない,超清浄表面を用意できる事を確認できた.また,高剛性の力計測システムと協調して操作可能であることを検討した.今後の予定としては,様々な結晶面の組み合わせに対し,フォースカーブを測定し,TMO理論や修正埋め込み原子法(MEAM)による計算と比較することにより表面原子の接合具合を評価する予定.また,電子分光により,表面数原子層の元素分析をすることにより,固体同士の固体間凝着現象を実験的に計測したうえで,接合性を検討し,無加熱無加圧接合システムとしての完成度を高める.
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