1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555244
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
恩澤 忠男 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 邦夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70226827)
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Keywords | (1)凝着 / (2)原子間力顕微鏡 / (3)超高真空 / (4)分子動力学 / (5)結合状態 / (6)界面 / (7)電子分光 / (8)表面分析 |
Research Abstract |
我々は,超高真空容器内で固体表面をイオンスパッターし,表面から十数原子層の元素分析および価電子状態分析で吸着元素の影響の無いことを確認した後,固体間に働く力を計測してきた.その結果,ほとんどの材料が,無加熱・無加圧で接合できる実験的事実を示してきた.また,そのためのクライテリオンを物性値と表面荒さの関数として表せることを示してきた.そこで本研究では,それらの成果を利用して,平方ミリメータオーダーの試料に対する無加熱・無加圧接合システムを完成させることを目指した研究をおこなった. 本年度は従来の実験的検討に加え、理論的な検討も行った.凝着力を利用した可逆接合による接合面の強度を見積もった.弾性連続体の半無限固体と正弦波状の凹凸をもつ剛体の接触の際に,接触領域の面積,界面における応力分布,全系のエネルギーを外部応力の関数としてあらわした.従来知られているJohnsonの解が近似解であることが判明し,我々の解が厳密解であることが明らかになった.一方,連続体近似の限界を見据え,将来の分子力学近似による検討のためのポテンシャルとして修正埋め込み原子法の表面(界面)問題適応性を検討した.信頼できる実験結果のあるいくつかの表面(例えば,金,銀,Pd,等FCC金属の(110)面のミッシングロー構造,やSi(111)面のDAS構造など)について,そのポテンシャルを用いて安定構造を計算し,実験事実と比較した.修正埋め込み原子法は原理的にバルクのためのポテンシャルではあるが,表面問題に対する適応性も有る程度あることを明らかにした.
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