2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555245
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田中 紘一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90143817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 健 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (40303185)
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Keywords | ナノインデンテーション / 補正 / 接触深さ / 硬度 / ヤング率 / P-h曲線 / 規格化 |
Research Abstract |
ナノインデンテーション試験は微小領域を微小荷重で測定可能なことにより,種々の分野に広く用いられるようになってきている。しかしながら,この試験法に関しては測定に用いられている試験機も含め,データの取得に一定の基準が設けられていないことから異機種で得られたデータを互いに比較検討することは困難であり,各機種で得られたデータに絶対評価を与えることは実質上不可能なこととなっている。 本研究課題ではナノインデンテーション試験に関して,試験機(駆動,制御,測定等),測定条件(温度,振動等),測定対象(硬度,形状等)といった実際の測定に考慮される要因を様々な角度から検討し,これらの要因がデータに及ぼす影響について調べた。また,これらについてのデータ補正法も併せて検討し,異なる試験環境,異機種試験機でも比較検討が可能な試験結果が得られ,絶対評価が可能となる補正法の確立を目指した。 ナノインデンテーション試験に用いられている試験機の中から代表的な試験機5〜6機種を選び,それぞれの駆動,制御,測定機構の違いによるデータへの影響を調べ,それぞれの試験機に生じる特徴的な傾向を指摘し,同時に試験機自体の剛性を試験データの中に見出し,補正する方法を確立した。また測定条件によるデータへの影響を考慮するため試験機をモデル化し,シミュレーションにより振動が測定に及ぼす影響を把握した。また圧子の状態が試験結果へ与える影響を考慮した補正法についても提案し,その妥当性を裏付けた。測定対象については硬度の違いによる影響を従来のヴィッカース標準試料により調べ,測定結果への影響と顕現する傾向を把握した。 以上の成果により,実際の測定に考慮される要因が試験結果へ与える影響を把握し,それぞれの要因に対しで補正法を確立し,ナノインデンテーション試験による機械的性質の絶対評価と規格化への基盤が整備された。
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