1998 Fiscal Year Annual Research Report
逆磁歪効果を利用したFe-Ni合金系張力・トルクセンサの電解製造
Project/Area Number |
10555251
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
秋山 徹也 九州産業大学, 工学部, 教授 (10136517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 慎次 (株)安川電機, 基礎研究所, 課長
小林 繁夫 九州産業大学, 工学部, 助手 (00248345)
津留 壽昭 九州産業大学, 工学部, 教授 (90069493)
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Keywords | 電解析出 / 鉄-ニッケル合金 / 逆磁歪効果 / 張力 / トルク / センサ / 異常型共析 |
Research Abstract |
本年度は,硫酸塩,スルファミシ酸塩および塩化物浴を用いて,主として電析挙動を調べた まず,電流密度を変化させ,電析Fe-Ni合金の電流効率および合金組成を測定した結果,より卑なFeが優先析出する異常型共析が、硫酸塩およびスルファミン酸塩浴において、広い電解条件で顕著に認められた。一方、塩化物浴では、異常型共析領域は存在はするもののその領域も狭く、またFeの優先析出の程度は小さいことがわかった。 次に,上記三種類の浴を用いて,定電流密度下で合金析出の分極曲線およびFe,Ni単独析出の分極曲線を測定した。この結果,Fe-Ni合金析出の異常型現象は,Niの高電流密度下での分極現象および低電流密度下でのFeの復極現象の結果起こっていることがわかった.典型的な異常型共析を示す鉄族金属-Zn合金電析においては,鉄族金属の大きな分極現象によりZnの優先析出が起こっているので,鉄族金属-Zn合金系で異常型共析機構の通説とされている水酸化物抑制説が本Fe-Ni系でも適用できるかさらになる検討が必要である。 電析物の表面は,低電流密度域で得られた電析物の場合、上記三種類のいずれの浴を用いても鏡面上の良好な外観を呈したが,高電流密度域では硫酸塩からの電析物が最も良好であった. 一方,これら電析物の磁歪効果が最も大きいと考えられる90%Ni付近の合金で,その磁気特性をスパッタ法により作成した合金と比転した。その結果,保持力および飽和磁化のいずれも電析法およびスパッタ法の間に大きな差異は認められず、張力・トルクセンサの作成法として電解析出もかなり有望であると思われた。
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