1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555256
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 亮輔 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 助教授 (80179275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 勝敏 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 教授 (10026049)
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Keywords | 鉄シリサイド / 耐酸化性被膜 / 溶融塩 / オゾン酸化 / 表面処理 / 鋼板 / 高温X線回折 / 高温酸化 |
Research Abstract |
腐食性環境における耐食性向上、および酸化性雰囲気中での耐高温酸化性向上のために、溶融塩を用いて、鉄の表面に鉄シリサイドFe_3Siを無電解でコーティングし、その後Fe_3Si表面をオゾンガスで低温酸化する方法により、平滑で安定なFe_3Si-SiO_2複合皮膜を形成させるプロセスを開発した。 まず、雰囲気ガス閉じこめ式の小型坩堝型電気炉で、操業中の揮発や酸化が少なく、かつ大気中でも安定な溶融塩としてKCl-NaCl-NaF-Si-SiO_2-Na_2SiF_6からなる塩組成を定めた。 つぎに、純鉄および普通鋼板にシリサイド被覆を施せる大気開放型の溶融塩メッキ漕を新設し、試料回転装置で塩を攪拌しつつ、数十グラム規模の定量的・実証的研究を行なった。高温溶融塩と鉄は速やかに反応し厚さ100μm以上のFe_3Si皮膜を生じた。大気中操業にもかかわらず酸化皮膜はなく、シリサイド皮膜厚さは極めて均一で高い耐食性が期待できる。しかしながら皮膜と基板との界面に溶融塩の巻き込みがあることが、新設の薄膜X線回折装置で明らかになり、この難点の克服に挑戦した。シリコンイオン供給源である純シリコンからシリコンイオンが過度に速やかに供給されることが原因であった。シリコンを合金化すること、もしくは溶融塩中のSi^<2+>の濃度を減少させること、で良好な界面を得ることに成功した。
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