2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555259
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
尾添 紘之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10033242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 博之 岡山理科大学, 工学部, 講師 (60264115)
鎌倉 勝善 国立富山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (40042832)
柿本 浩一 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (90291509)
田川 俊夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (90294983)
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Keywords | 鉄鋼 / 連鋳 / 磁場 / 数値解析 |
Research Abstract |
昨年度は立方体容器内の融鉄の自然対流を対象として、外部から磁場を印加した効果について解析した。本年はいよいよ、上部タンディシュから鋳型部分への融鉄の流下ならびに、下方への流下を含めたモデル化と計算機コードの開発に取り掛かった。基礎方程式は自然対流と同じとして、上部からの流入、下部からの流出を設定したが、流入出条件を与えても、物理的に妥当な解が得られなかった。鋳型内部に流入するように設定すると、流れはできたが、外部から入れる場合とは、ならなかった。長く試行を繰り返した後、元の方程式の無次元化を改め、流入流速を規準とした強制対流モデル式に変更し、鋳型側壁からの冷却効果を考慮した形に変えたところ、物理的に妥当な数値解を得ることができるようになった。そこで、外部よりX軸方向、Y軸方向、さらには空心コイル磁界を与え、それらの流下流への対流抑制効果を比較検討した。その結果、従来、鉄鋼各社で行われているY軸方向からの横磁場は必ずしも、有効に流下噴流を抑制しているわけでないことが推測できる結果を得た。また、流下方向距離を長くとることにより、比較的安定した流れが鋳型内で発生したが、これを巾の10倍以上位にとらないと、実機に更に近づけることは困難で、現状では、鋳型内で、上下方向への循環流が存在している。 ともかく、連鋳プロセスとしての流下流出状態が安定に数値解として求められることができるようになり、大きな成果が得られた。実験については、水もれを防ぐことが極めて困難で、今後も検討を続ける。
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