1998 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガス排出抑制を担うエネルギ回生デバイスとしての活性炭キャパシタ設計手法の開発
Project/Area Number |
10555266
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮原 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60200200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東谷 公 京都大学, 工学研究科, 教授 (10039133)
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Keywords | 活性炭 / 電気二重層キャパシタ / 充放電速度過程 / エネルギ回生 / Nernst-Planck式 / ナノ細孔 / 静電容量 |
Research Abstract |
本研究では,平衡論的視点および速度論的視点の両面から,電気二重層キャパシタ充放電特性を解析し,目的に応じたキャパシタ設計のための意志決定手法の開発を目指す.本年度は,細孔特性と表面特性の異なる材料として,異なる炭素起源からの,種々の賦活度の活性炭を用い,その充放電能力測定と物性評価を行ない,物理モデル構築の基礎固めに取り組んだ.1.静的蓄電能力:平衡論の基礎として,静的な,真の静電容量を測定することが重要である.既往の研究では単純な定電流充放電実験による容量測定例が多いが,これは速度因子の影響を含むものであるため解析の基礎とはなりえない.本研究では,電位ステップ変動に対応する電気量変化をポテンショスタット及び関数発生機を用いて追跡し,真の容量を測定することに成功した.2.速度過程解析:成型状態の活性炭電極内部は,種々の移動抵抗が存在する.真のキャパシタンス測定と同時に,電位変動時の応答電流を追跡し,速度過程の解析を行った.速度モデル構築の第一歩として,個々のイオンにNernst-Planck式を適用し,その解を数値解法により求め,定量的表現の基礎を探索した.3.キャラクタリゼーション:窒素吸着測定装置による窒素吸着等温線を基礎とし,t-plot法により,ナノ領域の細孔径,ミクロ細孔容積,ミクロ孔表面積を同定した.また,電極活性炭の細孔幾何特性-なかでも細孔空間のランダム性一が与える影響を把握するため,示差走査熱量計を用いて細孔内液体の凝固点変動を測定した.その結果,常温で液状である流体を炭素材の細孔内に充填した場合,測定可能温度範囲での明確な転移は検出されなかった.これは細孔壁からの引力相互作用が大きいためと推定されるが,今後の解明に負うところが大きい.
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