1998 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界水中での部分酸化・シフト反応を介した廃プラスチックスの水添油化
Project/Area Number |
10555270
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿尻 雅文 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60182995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福里 隆一 (株)神戸製鋼所, 機械エンジニアリング事業本部エネルギー化学本部プロセス開発本部, 担当次長(研究職)
服部 秀雄 (株)コンポン研究所, 取締役(研究職)
LEE Jr.Smith 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60261583)
猪股 宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10168479)
新井 邦夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005457)
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Keywords | 超臨界水 / 振動管密時度計 / 相平衡 / 熱分解 / n-ヘキサデカン / ポリエチレン / 部分酸化 / シフト反応 |
Research Abstract |
超臨界水を反応溶媒とした廃プラスチックスの部分酸化・Watcr-GasShift(WGS)反応(CO+H_2O→CO_2+H_2)を介した一段での水素発生+廃プラスチックス水添油化プロセスの開発を進めている。本研究ではそめための基礎研究を行った。 1) 超臨界水とアルカン系の相平衡測定と予測手法の確立 超臨界水と長鎖炭化水素との相平衡を測定するために,高温高圧下の測定が可能な振動管密度計を作成した。 本年度は、その基礎研究として常温近傍での水とアルコールの相平衡の測定を行い装置特性を評価した結果、本装置の健全性が示された。 2) 超臨界水中での炭化水素熱分解反応の検討 回分式装置を用い,反応温度400℃において長鎖炭化水素の熱分解反応に及ぼす超臨界水の影響を検討した。まず、ポリエチレンのモデル化合物であり、超臨界水と均一相を形成するn-ヘキサデカンの熱分解反応に及ぼすの超臨界水の影響を検討した。その結果、水密度の増大にともない生成物中の1-アルケン/n-アルカン比が極大になった後に減少すること、また反応速度も極大になった後に減少することを確認した。 次に超臨界水と不均一相を形成するポリエチレンの熱分解反応に及ぼす超臨界水の影響を検討した。その結果,水密度の増大にともない生成物中の1-アルケン/n-アルカン比は増大し、軽質化も促進された。これは水密度の増大にともない超臨界水とポリエチレンの相状態が均一に近づいたためと考える。超臨界水による相状態の変化が反応性に大きく影響を及ぼすことがわかった。 3) 超臨界水中での炭化水素部分酸化による水添油化基礎実験 回分式装置を用い、超臨界水中でn-ヘキサデカンの部分酸化を行い、部分酸化反応による水素化を検討した。 その結果、水密度増大にともないCO生成の選択率が増大し、同様に水素化により生成するn-アルカンの生成量も増大した。これは発生したCOがWGS反応を介して水素が生成し、その結果としてn-アルカンの生成も増大したと考える。より詳細に水素化機構を解明するためには流通式反応装置を用いた短時間での実験が必要となる。そこで高粘性の流体である長鎖炭化水素を連続的に装置に導入できるボリマー溶融シリンジを供給部に設置した流通式装置を作成し、部分酸化を介した水添油化実験を行い,本手法の可能性を評価した。
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Research Products
(1 results)