1998 Fiscal Year Annual Research Report
ナノエマルションを利用する担持金属触媒の構造制御とそれによる熱的安定性の向上
Project/Area Number |
10555279
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
若林 勝彦 九州大学, 工学部, 教授 (20220832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 静香 九州大学, 工学部, 教務員 (90260710)
多湖 輝興 九州大学, 工学部, 助手 (20304743)
岸田 昌浩 九州大学, 工学部, 助教授 (60243903)
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Keywords | 自動車触媒 / シンタリング / Pt / Al_2O_3触媒 / マイクロエマルション法 / Pt粒子径制御 / Pt粒子の露出割合 / 圧縮整形 |
Research Abstract |
本研究では,ナノエマルション(NE)法を用いて金属粒子の担体中への埋没の程度を制御することにより,触媒活性を失うことなく耐シンタリング性能を向上させることを目的とする.触媒金属としては,自動車排ガス浄化触媒などとして工業的に重要なPt/Al_2O_3触媒を取り上げ,本年度は以下の3項目について検討した. a. Pt粒子径の制御 NE中で各種白金化合物超微粒子を合成した結果,塩化白金酸と4級アルキルアンモニウム塩との錯体微粒子がNE中で非常に安定で触媒調製に適していることを見出した.この錯体超微粒子を担体に固定化することによって,pt粒子径が小さく,かつ粒子径分布のシャープなPt/Al_2O_3触媒を調製することができた.さらに,4級アンモニウム塩のアルキル鎖長を系統的に変化させることによって,Pt粒子径を3〜20nmの範囲で制御することができた. b. Pt/Al_2O_3触媒のPt露出割合の制御 Pt微粒子固定化過程(アルミニウムイソプロポキシドの加水分解過程)におけるpHと含水率は,Pt微粒子の担体への露出割合にスきく影響することがわかり,pt微粒子の露出割合を50〜100%の範囲で制御することができた.しかし,Pt/Al_2O_3触媒では,Ptの露出割合は耐シンタリング性能にあまり影響しなかった. c. 耐シンタリング性能の向上 上記bで得られた知見から,NE法触媒を物理的に圧縮してAl_2O_3粒子を凝結させることを検討した.その結果,従来法触媒よりも極めてシンタリングしにくいPt/Al_2O_3触媒を調製することに成功した.また,圧縮力2MPaまでは圧縮力を上げるほど耐シンタリング性が高くなり,それ以上の圧縮力では大きな相違はなかった.これらの触媒は,700℃で12時間の焼成後でも焼成前と変わらない触媒活性を示した.なお,従来法触媒の活性は同じ処理によって5分の1程度に減少した.
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