1998 Fiscal Year Annual Research Report
組み変え磁気微粒子を用いた小型自動免疫測定ロボットの開発
Project/Area Number |
10555285
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 秀二 プレシジョンシステムサイエンス(株), 研究職
養王田 正文 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50250105)
竹山 春子 東京農工大学, 工学部, 助手 (60262234)
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Keywords | 磁性細菌 / 組み変え磁気微粒子 / 融合遺伝子 / ルシフェラーゼ / 小型免疫測定ロボット / イムノアッセイ / マウスIgG |
Research Abstract |
本研究は磁性細菌の鉄輸送に関わるmagA遺伝子と目的タンパク質遺伝子の融合によって、磁気微粒子上に目的タンパク質を発現させる技術を用いて、各種抗体・タンパク質-磁気微粒子複合体(組み換え磁気微粒子)を作製し、差れを利用した小型免疫測定ロボットの開発を目的としている。本年度は、レポーター遺伝子として知られているルシフェラーゼ遺伝子を導入した組み換え磁性細菌の大量培養を行い、ルシフェラーゼ活性から磁性細菌の培養条件の最適化について検討を行うこととした。特に、電子供与体、電子受容体である硝酸、コハク酸および鉄の添加条件について着目し、組み換え磁気微粒子の生産性について評価した。また、この組み換え磁気微粒子を用いた免疫沈降法によるマウスIgGの測定についても実験を行った。まず、育成の制限要素となる硝酸を供給する流加培養を行うことにより、磁性細菌の高密度培養を試みた。その結果、最終菌体濃度は1.2×10^9cells/mlに達した。さらに、電子供与体であるコハク酸および鉄源としてキナ酸鉄を加え、磁性細菌の育成を調べたところ、最終菌体濃度は1.8×10^9cells/mlに達し、磁性細菌粒子量はl1当たり約6mgとなった。流加培養においても、回分培養と同程度の菌体および磁気微粒子生産量が得られ、また、ルシフェラーゼの活性も失活することなく保たれていることが明らかになった。また、プロテインA-磁気微粒子を用いてイムノアッセイの結果、抗体の結合を発光量から評価可能であり、抗体結合能を有していることが確認された。抗体を結合した磁気微粒子と抗原との凝集沈降を利用したホモジニアスイムノアッセイを行い、発光量の減少からマウスIgG濃度を推測できることが示された。特にマウスIgG濃度1〜1000ng/mlの範囲で発光量の間に直線関係が得られ、検出ならびに測定可能であることが明らかになった。
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Magnetic bacteria and biomineralization" J.Magnet.Soc.Jpn.22・S1. 434-436 (1998)
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[Publications] Hitoshi Suzuki: "High-resolution magnetic force microscope images of a magnetic particle chain extracted from magnetic bacteria AMB-1" Jpn.J.Appl.Phys.37. L1343-L1345 (1998)